心不全
循環生理からみた診断と治療

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豊富な臨床経験をもつ著者が単独でまとめた心不全に関する総合的ハンドブック。心不全の基礎医学的背景、診断、薬物療法、非薬物療法がバランスよくまとめられている。単に分かりやすいマニュアルではなく、きちんとした根拠(EBM)をもとに心不全を体系的に理解できるような成書となっている。
友田 春夫
発行 2010年03月判型:B5頁:320
ISBN 978-4-260-00937-9
定価 10,450円 (本体9,500円+税)

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 近年における心不全の治療成績は,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬,アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),β受容体遮断薬などの薬物療法,ペースメーカ治療,補助循環法などの進歩により目覚ましい進展を見せ,また再生医学への期待も高まっています.本書はこのような時期に心不全の病態,診断,治療の現状につき解説を試みたものです.
 読者対象としては,これから心臓病の勉強を始める方々で,医学生,循環器内科をローテートしている研修医,循環器内科新規入局者,他科の医師あたりを意識して執筆しています.
 本書の構成はいくつかの項目からなっていますが,それぞれの項目はなるべく独立させ,どの部分から読まれてもよいように配慮しました.そのため,全体を通読すると一部記載の重複がある点をご了承ください.本書は「心不全-循環生理からみた診断と治療」と銘打っていますが,基礎の部分は臨床医にとっては取りつきにくいところもあり,また実際上,取り敢えずは不要の面もありえますが,他の項から読み,必要があれば適宜参照されるのもよいと思います.また,引用されている文献がすべて英文文献でありますが,今日わが国を含めて世界中の報告が,最終的には英語でなされている事実によるもので,他意はありません.
 今日の臨床医学の趨勢はまさに,evidence-based medicine(EBM)に基づくガイドラインの時代であります.本書も巻末にEBMの根拠となる主たる大規模臨床研究を付録として示し,本文ではガイドライン準拠を基本とし,項目ごとに本文記述と対比してわが国のガイドラインを示し,適宜米国,欧州の心不全ガイドラインも示しています.
 本書執筆後一部ガイドラインの改訂,新たな臨床知見の報告などもあり,原稿に大幅な修正なども加えていますが,進歩の速いこの領域の最新情報を完全には網羅し切れない,成書というメディアの限界も感じております.
 最後に,本書の完成に甚大なるご支援を頂きました医学書院編集部 大野智志,同制作部 永安徹也の両氏にこの場を借りて深甚なる謝意を表します.

 2010年2月
 友田春夫

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 序

第I部 循環系の構造と機能
 第1章 心臓の構造と機能
 第2章 心血管系の病態生理
 第3章 循環系の機能調節
第II部 心不全の病態,症状,検査
 第4章 心不全の病態
 第5章 一般検査
 第6章 超音波検査
 第7章 核医学,MRI,CT
 第8章 運動負荷試験
 第9章 侵襲的検査
第III部 薬物療法
 第10章 総論
 第11章 利尿薬
 第12章 ジギタリス
 第13章 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系薬剤
 第14章 β受容体遮断薬
 第15章 強心薬
 第16章 血管拡張薬
 第17章 その他の薬物療法
第IV部 非薬物治療法
 第18章 酸素療法
 第19章 ペーシング療法
 第20章 補助循環
 第21章 外科的治療
 第22章 運動療法
 第23章 心筋再生療法
第V部 総括にかえて
 第24章 急性心不全の診療方針
付録 大規模臨床試験報告抄訳
 薬物療法
 非薬物療法
索引

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