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細胞診セルフアセスメント 増補版

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『細胞診を学ぶ人のために』の姉妹書であり、読者の要望から生まれた問題集。細胞診に関する知識と判断能力の自己評価(セルフアセスメント)のために、ベセスダ分類や液状細胞診など今日の新たな動きを取り入れた増補版。細胞診所見(カラースライド)246題と、学科問題240題を5肢択一の問題形式で収載。細胞検査士資格認定試験のための学習の仕上げにも最適。
編集 坂本 穆彦 / 都竹 正文
執筆 坂本 穆彦 / 都竹 正文 / 古田 則行 / 星 利良
発行 2008年06月判型:B5頁:248
ISBN 978-4-260-00655-2
定価 7,700円 (本体7,000円+税)
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増補版 序

 本書は,細胞診がどれだけ身についているかを自らチェックするための設問集という形式をとっている。さいわい多くの方々に受け入れていただき,今日にいたることができた。他方,初版刊行以来10年がたち,細胞診の実状はゆるやかではあるが変化を示しつつある。近年の動きを鑑み,初版にない情報を取り入れたものがこの増補版である。
 この増補版も初版同様,全編にわたり5肢択一の設問で構成されている。そのうちの前半部分の設問は,カラー写真を用いてのものである。手にとっていただくと,豊富なカラー写真がまず目をひくことと思う。これらの写真を通覧するだけでも,各分野にわたる代表的疾患はもとより,理解しておくべき正常所見も含め必要最低限の所見を体験できるように網羅したつもりである。
 近年,新しい標本作製法として液状検体処理が登場した。従来法に比較して,その利点は周知されつつある。癌研有明病院でも,子宮癌検診の一部にこの新手法を取り入れており,この増補版では何例かの自験例を提示した。このたびの増補により,本書は再びup to dateなものへと装いを新たにすることができた。姉妹書である「細胞診を学ぶ人のために」,「細胞診のベーシックサイエンスと臨床病理」(共に医学書院刊)とあわせて本書をご利用いただければ幸甚である。
 初版同様,東京都臨床衛生検査技師会の方々よりのカラー写真も掲載させていただいた。ご協力に感謝する次第である。
 なお,増補版作成作業の半ばで,編著者のひとりである都竹正文氏が,病魔により逝去された。氏は細胞検査士会会長,日本臨床細胞学会東京都支部長の要職にあり,この早すぎたご逝去は,われわれにとってはもとより,わが国の細胞診全体にとっても痛恨の極みである。ご冥福を祈るとともに,この増補版を氏にささげたい。
 文末ながら,増補版の編集・制作にあたり多大なご助力をいただいた医学書院のみなさま,とりわけ菅陽子氏,坂口順一氏,福田亘氏,阪本稔氏には衷心より御礼申しあげたい。

 2008年4月
 坂本穆彦

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1部 細胞診スライド問題
 I 婦人科領域
 II 非婦人科領域

2部 細胞診学科問題
 細胞診技術
 基礎的知識
 細胞診と疾患
 ・婦人科領域
 ・非婦人科領域
 解答と解説

スライド問題索引

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細胞検査士教育のノウハウが集結した一冊
書評者: 伊藤 仁 (東海大医学部附属病院病理検査技術科)
 このたび『細胞診セルフアセスメント 増補版』が刊行された。本書初版は,1998年に姉妹本である『細胞診を学ぶ人のために』第3版と同時に刊行されている。『細胞診を学ぶ人のために』の多くの読者からの要望に応えるべくして生まれた一冊である。発刊から10年が経過し,細胞診の発達とともに,新しい標本作製法や診断基準等の情報を取り入れた内容となっている。

 本書は細胞診スライド問題,細胞診学科問題の2部構成になっており,特に前者の246症例492枚にわたるカラー写真は,クオリティーがきわめて高く美麗であり,類書を圧倒する内容である。また,5肢択一の問題形式に設定されており,見開き1ページごとに,次ページに解答および症例の特徴的所見についての詳細なコメントが添えられている。細胞診の判定能力,知識のセルフアセスメント(自己評価)に適したスタイルで構成されている。内容的にも本増補版では,新しい標本作製法であるLiquid Based Cytology(LBC)やベセスダ分類についても補足されており,ベーシックななかにも,新しい情報が盛り込まれている。また,第2部の学科問題においても,新たな情報が取り入れられ,Up to dateされた内容となっている。

 本書には,日常遭遇するほとんどの症例が網羅されていると言っても過言ではない。執筆は,編集の坂本先生と都竹氏をはじめとする癌研有明病院細胞診断部の古田氏,星氏ら細胞診の第一線で活躍するスペシャリストたちである。解説は丁寧で理解しやすく,詳細な細胞所見,的確な鑑別点が記述されている。癌専門病院としての豊富な経験と細胞診創成期より40年におよび培われてきた細胞検査士教育のノウハウが集結しているといえる。細胞検査士や細胞診専門医資格を取得しようと勉強している人たちには,典型像の把握に最適の書であることは言うまでもないが,すでに資格を取得した人達にも自己の判定能力の評価や知識の整理に役立つ一冊である。
細胞診断学に携わる方々必携の書
書評者: 福田 利夫 (群馬大教授・応用検査学)
 本書の初版は1998年に発刊されています。たかが10年前と思われますが,本書の姉妹書にあたる『細胞診を学ぶ人のために』の初版から約8年後のことです。

 『細胞診を学ぶ人のために』は病理組織学と細胞診断学とを有機的に結び付け,分かりやすく解説した教科書として,国内で細胞診を“学ぶ”人たちの新しいスタイルの教科書として好評を持って迎えられ,15年間に3回の改訂が行われて現在の4版に至っています。

 本書『細胞診セルフアセスメント 増補版』は細胞診の知識の習得度を自分で確認するための設問集という形態をとっており,『細胞診を学ぶ人のために』で学んだ知識を実際の症例と問題を用いて確認できるように五肢択一式の画像スライド問題と学科問題の2部で構成されています。

 第1部のスライド問題では,婦人科・呼吸器領域の病変に始まり,消化器,泌尿器,乳腺,甲状腺,リンパ節,骨・軟部,体腔,中枢神経系など,細胞診の対象となるすべての領域について,典型例の細胞像の明瞭な写真と明解な解説がセットで掲載されており,実際の試験形式で学ぶことができます。

 なお,今回の増補版では子宮頸部の液状検体も掲載され,ベセスダシステムでの解答と解説があり,最新の技法と診断基準についての知識の確認もできます。

 第2部の学科問題では検体処理,染色,観察,細胞形態,病変の基礎知識に始まり,婦人科領域,非婦人科領域に分けて,細胞診に必要な,解剖学的,組織学的,生理学的,病理学的知識に始まり,各種病変の細胞所見についての知識の確認ができます。今回の増補版では,問題の取捨選択が慎重に行われ,全体のおよそ3分の1の問題について,改変,追加,削除が行われ,より適切な設問を解いていくことにより,確実な知識を身に付けることができます。

 本書の初版発行から10年の間に「癌(腫瘍)取扱い規約」の改訂に伴った用語の変更,腫瘍の概念の変遷も起きており,増補版では,それらを忠実に取り入れて用語の変更も行われました。例えば,腺棘癌は腺棘細胞癌に,未分化胚細胞腫は未分化胚腫に名称が変わり,消化管の平滑筋肉腫と呼ばれたものは消化管間質腫瘍と訂正され,最新の知識を確認することができます。

 今回の増補版の編集,執筆も坂本穆彦教授,都竹正文氏を中心に綿密に行われました。都竹氏が増補版の完成前に病魔により逝去されたのは残念至極ですが,日本を代表する細胞診専門医,細胞検査士の相互協力の下に初版のみならず,増補版が編集された意義は大きく,診断はもとより専門医,細胞検査士の教育にも両職種のコラボレーションがなくてはならないことを本書をもって示されたものと思われます。

 現在,細胞診に関して比較的新しい内容の教科書やアトラスが国内に数種出版されていますが,本書のように細胞検査士や細胞診専門医・指導医をめざす人々にとって,知識の習得度を自分で確認するための設問集として版を重ね,最新の内容が充実している教科書は他に類を見ないものです。編集,執筆を担当された方々の大変なご努力によって改訂されたこの『細胞診セルフアセスメント』を細胞診断学に携わる方々の必携の書としてぜひお薦めしたいと思います。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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