ポケット心電図

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医学生、研修医、看護師を主な読者対象として、基本的な心電図の読み方、波形から見た不整脈の定義・所見、原因、治療が、必要最小限の記述で簡潔にまとめられている。不整脈の発生機序は一目でわかるイラストを用いて解説。ポケットに入るコンパクトなサイズで、見たい情報が素早く引ける、ベッドサイドで本当に役立つ1冊。
監訳 田邉 晃久 / 吉岡 公一郎
発行 2007年09月判型:その他頁:288
ISBN 978-4-260-00482-4
定価 2,640円 (本体2,400円+税)

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(R. Haberl)/監訳者の序(田邉晃久)


 みなさんが医学書を購入する際に考えることは、自分が知識を得たいテーマについて1つ1つ細かく丁寧に触れられているかどうかではないだろうか? しかしながら、本を読み終えてみると、十分な知識が必ずしも身についていないと感じることはないだろうか。おそらくその理由は、1冊の本に取り上げられている内容が多すぎるためだと私は考える。

 本書は、心電図の知識を網羅したような専門的な教科書ではない。医学生、研修医を主な読者対象として、日常的にみる機会の多い心電図所見を中心に、多少まれな所見についても触れている。豊富な心電図とわかりやすいシェーマは、読者の理解の助けになるはずである。もちろん循環器内科医のエキスパートにとっては物足りないかもしれないが、プライマリケアに関わる臨床医にとって、必要十分な知識を含んだつもりである。したがって、多くの医師にとって、本書に掲載されている心電図をマスターしさえすれば、日常診療は十分カバーできるはずである。

 本書がみなさんの日々の診療にお役に立てれば幸いである。

 何年にも渡って私のアシスタントを果たしてくれた、Regine Pulterに感謝したい。
 ミュンヘンにて 2006年2月
 R. Haberl

監訳者の序
 心電図は、心肥大、心筋虚血、心筋梗塞、不整脈、電解質異常、ペースメーカー不全などの診断に欠かせず、日常診療において重要な役割を占めている。この点、難解な書籍ではなく、基本的な内容の漏れがない、簡便に利用できる、可能ならば随時ポケットに携行して見開きできる状態にある心電図テキストの刊行が望まれる。

 本書は、原著“ECG Pocket”を和訳したもので、いわゆる心電図学の修得を目的としたものではない。医学生、研修医、レジデントあるいは必ずしも循環器病診療を専門としない実地医がプライマリー・ケアで標準的な心電図を容易に理解でき、かつ常にポケット版として携帯できることを意図している。このため、重要な心電図実例やグラフを多く取り入れ、日常診療で記録した心電図と照らし合わせることにより容易に診断ができるよう工夫されている。循環器病棟やCCU・ICUに勤務する看護師にも有用と考える。

 この『ポケット心電図』は前述したように、英語版からの和訳である。翻訳するにあたって、直訳というより「心電図をより易しく理解するために」できるかぎり意訳とした。また、欧米での薬剤の用量や投与法は本邦とは若干異なる面があるため、必要に応じて本邦での標準用量、投与法に変更した。

 本書が、第一線の医師、看護師のポケットに携帯され、日常診療で役にたつことができれば我々にとってこのうえない喜びである。

 最後に、この訳書の出版にあたっては、医学書院の大野智志氏のご協力をいただいた。心より御礼を述べたい。
 2007年8月吉日
 田邉晃久

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1 心電図の基本
 1.1 刺激伝導系
 1.2 心電図の波形と間隔
 1.3 心電図の誘導
 1.4 方法
2 正常心電図
 2.1 正常心電図の特徴
 2.2 軸測定
 2.3 心電図の評価
 2.4 小児の心電図正常値
3 心臓肥大
 3.1 右房拡張(右房負荷)
 3.2 左房拡張(左房負荷)
 3.3 右室肥大
 3.4 左室肥大
4 脚ブロック
 4.1 総論
 4.2 左脚前枝ブロック
 4.3 左脚後枝ブロック
 4.4 不完全左脚ブロック
 4.5 完全左脚ブロック
 4.6 機能的左脚ブロック
 4.7 不完全右脚ブロック
 4.8 完全右脚ブロック
 4.9 二枝ブロック
5 房室ブロック
 5.1 総論
 5.2 I度房室ブロック
 5.3 II度房室ブロック、Mobitz I型(Wenckebach型)
 5.4 II度房室ブロック、Mobitz II型
 5.5 III度房室ブロック
6 心筋虚血
 6.1 基礎
 6.2 冠動脈における虚血
 6.3 心筋梗塞
 6.4 非Q波心筋梗塞
 6.5 運動負荷試験
7 徐脈性不整脈
 7.1 補充調律
 7.2 房室接合部補充調律
 7.3 洞房ブロック
 7.4 反射性徐脈
 7.5 徐脈を伴う心房細動
 7.6 心臓ペースメーカー
8 頻脈性不整脈
 8.1 総論
 8.2 洞性頻脈
 8.3 心房細動
 8.4 心房粗動
 8.5 房室結節リエントリー性頻拍
 8.6 Wolff-Parkinson-White(WPW)症候群
 8.7 心房頻拍
 8.8 洞不全症候群
 8.9 心房期外収縮(PACs)
 8.10 心室期外収縮(PVCs)
 8.11 持続性心室頻拍
 8.12 心室細動
 8.13 催不整脈作用
 8.14 QT延長症候群
9 心膜炎、心筋症
 9.1 急性心膜炎
 9.2 低電位QRS波
 9.3 拡張型心筋症
 9.4 肥大型心筋症
10 電解質異常、薬剤
 10.1 低カリウム血症
 10.2 高カリウム血症
 10.3 高カルシウム血症
 10.4 低カルシウム血症
 10.5 ジギタリスによる心電図変化
 10.6 β遮断薬、カルシウムチャネル拮抗薬
11 電極のつけ違いとアーチファクト
 11.1 誘導電極のつけ違い
 11.2 その他の障害とアーチファクト
索引
クイックリファレンス、付録

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