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高齢社会に求められるケアマネジメントサービス

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膨大な投資をせずに,利用者中心で地域も活性化できるケアマネジメント事業は可能だろうか? その答えは本書にあり! 医療・福祉・保健が一体となって,効率よくヒト・モノ・カネを動かす方法とその効果を,著者の考え方や具体的な事例とともに紹介。これからの在宅ケアに欠かせない1冊。
篠田 道子
発行 2003年05月判型:B5頁:164
ISBN 978-4-260-33275-0
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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  • 目次
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chapter 1 ケアマネジメント事業の意義と役割
 1 ケアマネジメント事業とは何か
 2 ケアマネジメント事業が求められる背景
 3 ケアマネジメント事業の目的
chapter 2 退院計画と地域連携
 1 退院計画とは
 2 退院計画のプロセス
 3 退院計画を後押しする診療報酬改定
 4 病院からの特養ホーム入所申請の増加:
  新たな入所基準により安易な申請は不可能に
 5 退院計画や連携を評価した診療報酬と介護報酬の具体例
 6 退院計画を後方連携の戦略に
 7 退院時ケアプランは「生活再構築プラン」
chapter 3 在宅医療にふさわしい物と技術
 1 PEGによる在宅経腸栄養
 2 在宅中心静脈栄養
 3 膀胱留置カテーテル
chapter 4 新しい時代の痴呆性高齢者のケアマネジメント事業
 1 痴呆性高齢者のケアマネジメントの現状と課題
 2 痴呆ケアの切り札,グループホーム・宅老所・ユニットケア
 3 痴呆ケアにはケアの場を超えた共通軸がある
 4 痴呆ケアは小規模多機能事業所で
 5 施設内ユニットケアのすすめ
 6 新型特別養護老人ホームの誕生
chapter 5 超高齢時代の終末期ケア
 1 新しい緩和ケアの概念とは
 2 入院ケア中心に発展してきた緩和ケア病棟
 3 一般病棟における緩和ケアの誕生
 4 高齢者の終末期ケアのあり方
 5 介護保険施設における終末期ケアの現状と課題
 6 病院サポートチームと在宅緩和ケアの有機的連携
chapter 6 変わる高齢者住宅事業
 1 「賃貸住宅」+「生活支援サービス」がセットされた新しいタイプの高齢者住宅
 2 高齢者住宅が急増している理由
 3 特定施設入所生活介護を届出ない理由
 4 高齢者共同住宅
 5 有料老人ホーム類似施設
 6 変わる有料老人ホーム
 7 二極化されるケアハウス
 8 PFIを活用したケアハウス
 9 新型特養,ケアハウス,有料老人ホームの違いがボーダレスに
 10 新しい高齢者住宅の課題
資料 「高齢者の終末期医療」に関する日本老年医学会の「立場表明」
索引

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21世紀の高齢者福祉を考えるヒントに満ちた本
書評者: 樋口 京子 (岐阜大学医学部看護学科講師)
 このたび,医学書院から『高齢社会に求められるケアマネジメントサービス』が発刊された。医療福祉をめぐる状況は,過渡期にあり,めまぐるしく変化している。本書では,医療福祉従事者自身がまずこの変化の全体像を把握し,あふれる情報を高齢者・家族を主体に整理し直し活用する能力と,変化する診療報酬や新しいサービスにフレキシブルに対応し,連携を促進し地域を変えていく力を高めていくためのヒントがちりばめられている。

◆継ぎ目のないケアを目指す

 本書において基盤となる考えは,(1)これからの高齢社会に求められるものは,住み慣れた地域で人生の終わりまで,利用者からみてSeamless care(継ぎ目のない,均質のケア)を,要介護度や痴呆が進行し,療養の場が移行しても年齢や所得にかかわらず受けることを保証すること,であり,(2)そのための鍵は,退院計画と地域連携を軸にして,施設や職域を越えたケアマネジメントサービスを経済・住宅の動向を踏まえて実践することである。

 本書の前半の3章は,「ケアマネジメントの意義と役割」「退院計画と地域連携」「在宅医療にふさわしいものと技術」である。特徴は,診療報酬や介護報酬の改定などの経済的側面を,連携を促進する重要なポイントとして位置づけている点である。2章では,退院計画と連携を評価する報酬の具体例が10種類のイラストでわかりやすく整理されている。3章では,利用者や介護する家族や医師の所属機関などのタイプ別に,新しい技術(PEGによる在宅経腸栄養など)を適切にマネジメントするノウハウが示されている。どの種類の退院計画の報酬やモノを用いることが,移行期を手厚くマネジメントし,安心や移行後の生活に希望を持てるプランとなるのか,連携実態に即して考えるヒントが示されている。

◆新しいサービスをポジティブに育てていく

 次に後半の3章は,「新しい痴呆性高齢者のケアマネジメント事業」「超高齢時代の終末期ケア」「変わる高齢者住宅事業」である。特徴は,最期まで自分らしく“住まう”ことの連続性が保証されているかに重点をおき,筆者の豊富な実践に基づいて課題が提起されていることである。要介護度や痴呆が重度になった場合,救急時や終末期の医療が必要となった場合にも住み続けられるかの視点を加えた新旧のサービスの比較表が各章に準備されている。ユニットケアやグループホームなど新しいサービスを,既存のサービスを巻き込みながら,“ポジティブ思考”で育てていこうとする筆者の温かいまなざしが感じられる。

 今,それぞれの場で孤軍奮闘している同輩へのエールを感じ取ることができる1冊である。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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