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糖尿病患者を外来で上手にみるための21のルール

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糖尿病患者に関わる医師・看護婦、さらに糖尿病療養指導士に向けた外来診療の手引書。外来での正しい患者マネージメントができるように、知りたい本音に迫りながら、21のルールブックとして編集している。症例を豊富に示し、読者が読み進むにつれて、実際の臨床での思考過程を追体験できるように具体的にまとめている。
シリーズ 総合診療ブックス
編集 吉岡 成人 / 大西 利明
発行 2001年04月判型:A5頁:228
ISBN 978-4-260-11972-6
定価 4,400円 (本体4,000円+税)
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糖尿病外来診療ベストプラクティス 
糖尿病外来診療の基本 
治療方針の立て方 
状況で異なる治療の考え方 
他疾患を合併した糖尿病患者の治療についての注意点

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期待されるより質の高い糖尿病外来診療に必携
書評者: 田嶼 尚子 (慈恵医大教授・内科学/糖尿病/代謝/内分泌)
 「糖尿病はできるだけ軽症のうちから治療する」ことが,世界的な傾向になってきた。糖尿病患者数が激増している昨今,軽症糖尿病患者の治療の多くは,実地医家の手にゆだねられている。また,コメディカルの糖尿病ケアにおける役割も次第に大きくなってきた。このような現状の中で,本書は,より質の高い糖尿病外来診療を行なうための助けとなることを期待して編纂されたものである。

◆「読む」本でなく「使える本」をめざす

 本書の最大の特徴は,教科書的な記載から一歩進んで,臨床の第一線で糖尿病の診療にあたっておられる先生方による「本音」の糖尿病診療の指針が示されていることであろう。それだからこそ,編者は本書が「読む本」ではなく「使う本」であることをめざされたのだと思う。外来でしばしば遭遇するテーマを21項目かかげ,臨床シナリオから解説し,そのケースから学ぶべきことを「caseの教訓」としてコメントし,さらには関連するエビデンスを紹介するなど他の本には見られない特徴があり,筆者の諸先生方の努力の跡がにじみ出ている。21世紀の幕開けにふさわしい,新たなアイディアにあふれた実践的糖尿病治療のための本の誕生である。

◆EBMに基づく糖尿病診療へ

 もう1つの特徴は,本書を座右の書として使いこなしていくことによって,知らず知らずのうちにEBMに基づいた診療を行なえる医療スタッフを育てたいという意図を,編者が持っておられる(のではないか)ということである。しかし,どこまでがエビデンスとして,あるいはコンセンサスとして受け入れられているのか,どこからがその項の筆者のclinical expertiseに立脚した「本音」の治療法なのかが今1つはっきりしない章が見受けられる。また,同じテーマに関する治療法なのに,筆者によって意見の違いがある。このあたりは,糖尿病専門医は「読む本」としては興味深い点ではあるが,一般内科医やコメディカルを混乱させはしないか気がかりである。また,筆者によって文章のトーンが違っていること,引用した図表の出典が明記されていない場合があるところなど目についた。新たな息吹を感じさせてくれる本書である。新たな版を出される時には,これらの点をぜひ改訂し,さらに魅力的な教科書にしていただきたい。
糖尿病患者に困った時にどうすればよいか,ズバリ即答
書評者: 川本 龍一 (町立野村病院・内科)
◆実践に密着した内容

 本書は,一口に言って実践に密着した内容である。テーマが具体的であり,理解しやすい。各所にあげられたケースは,われわれが現場で経験し,さまざまな思いを抱き悩まされた症例に似ている。糖尿病では,患者から多くのことを学ばされる。教科書通りにはいかない時にわれわれは悩み,文献をあさり,そして経験を積み重ねて対応してきた。従来の書物ではこのような経験があまり語られなかった。本書では,豊富な経験を有する第一線で活躍する著者らが,飾ることなく自らの失敗談や成功談を交えながら症例を提示し,困った時にはどうすればよいかなどがわかりやすく述べられている。例えば,インスリンや内服治療におけるちょっとした工夫やその原理が随所に書かれていて,改めてなるほどと納得させられる。今流行のEBMを交えた説明もみられる。

◆随所にカラーの文字や挿絵

 本書は,カラーの文字や挿絵が随所に挿入されており非常に読みやすいのも特徴である。一通り読み終わったら診察室の机にでも置いておき,同様の患者がきたらちょっと参考にするのもよいであろう。ただし,著者によってはかなり偏った教訓を述べている稿(例:糖尿病には食事療法と運動療法で経過をみてはいけない,速やかに薬物療法を開始することが重要)も見受けられ,それには自分なりの考えを持って解釈すべきである。ただし,そういう考え方をすべき場合も実際にはあるかも知れない。これまでの出版物とは一味違った企画での構成である。糖尿病診療に携わる人には,ぜひお勧めしたい書物である。

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