拘縮の予防と治療 第2版

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リハビリテーションに携わる誰もが遭遇する拘縮。しかし、その予防と治療は難しく、十分な対応をとりにくいのが現実である。本書は、PT、OT、その他関連職種のために、拘縮の病理・病態生理、予防と治療といった一連の知識と技術をわかりやすく提示。改訂第2版では最新の知見を加えるとともに、拘縮に対する装具・運動機器療法の項を新設した。
編集 奈良 勲 / 浜村 明徳
発行 2008年07月判型:B5頁:176
ISBN 978-4-260-00628-6
定価 3,850円 (本体3,500円+税)

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第2版の序

 本書,『拘縮の予防と治療』(初版)は,2003年2月に発行された。初版を企画する際,過去40数年間にわたり,わが国のリハビリテーション医療が著しく発展してきたことから,リハビリテーション医療の対象者へのキュアとケアとが拡充し,「拘縮 contracture」を呈する症例が激減しているだろうからとの理由で,この種の書籍を企画することを躊躇した。
 しかしながら,初版を発行してから数年が経過し,編者らが予想した以上に本書が好評であることに多少驚いている。
 この事実は,これほどまでにリハビリテーション医療を提供する施設と地域リハビリテーションシステムが充実し,それらに関与する保健・医療・福祉関連職種が増えているにもかかわらず,『拘縮の予防と治療』 というテーマは,恒久的な課題のひとつなのだろう。
 ひとたび 「拘縮」 が生じると,仮に神経筋の回復の兆しのある対象者においても,最終的に運動が可能になるためには,関節における 「角運動 angular motion」 の確保が必須となる。
 よって,診療報酬改定において一単位の介入時間と上限が定められたとはいえ,各医療関連職種はそれぞれの立場で連携を保ち,対象者のキュアとケアとを直線的かつ継続的にとらえ,『拘縮の予防と治療』 に留意することが期待される。
 今回の改訂の大きな点は,とくに関節構成体と筋による拘縮の病理と病態とに区分して記述したことである。そして,初版では取り上げなかった 「拘縮に対する装具療法・運動機器を用いた理学療法」 を新たに加えたことである。
 国際生活機能分類(ICF)は,すべての人々を対象にして,究極的には社会参加を支援する概念である。しかしながら,それを可能にするためには,その第1ステップとして,心身機能・身体構造の変調に起因する機能障害の改善と人間らしい生活機能の向上に結びつく活動制限の介入に善処することが求められる。
 本書が,保健・医療・福祉という包括的な視点から,今後格段と総合的リハビリテーションが推進されることの一助になれば幸いである。

 2008年6月
 奈良 勲
 浜村明徳

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1章 拘縮の実態
 A.リハビリテーション医療実施患者の拘縮に関する実態
 B.長期療養患者の拘縮の予防法・治療法
2章 関節のしくみと拘縮の発生
 A.関節のしくみ
 B.拘縮の定義
 C.拘縮の分類
 D.拘縮の責任部位
3章 関節構成体による拘縮の病理と病態
 A.拘縮の原因となる関節疾患
 B.長期不動拘縮あるいは持続静止性拘縮
 C.先行研究の文献レビュー
 D.筆者のグループによる最近の研究の概略
 E.理学療法的治療の効果と今後の課題
4章 筋による拘縮の病理と病態
 A.筋に由来したROM制限
 B.拘縮発生時の筋の病理変化
 C.筋による拘縮の病態
 D.筋収縮の影響
 E.拘縮に対する理学療法の効果
5章 拘縮の評価
 A.ROM制限の用語
 B.評価の頻度
 C.拘縮の評価手順
 D.拘縮の評価(疾患別)
6章 拘縮の予防
 A.脳卒中患者と関節拘縮
 B.拘縮の発生状況と各時期における対応
 C.ADLの中での拘縮予防
 D.福祉用具と関節拘縮
 E.拘縮予防とチームアプローチ
7章 拘縮に対する装具療法・運動機器を用いた理学療法
 A.理学療法における装具療法
 B.装具療法の目的と適応
 C.装具の分類
 D.拘縮と装具療法
 E.運動機器
8章 拘縮に対する物理療法
 A.温熱療法
 B.寒冷療法
 C.超音波療法
9章 拘縮に対する徒手療法─その1
 A.歴史
 B.OMTの対象
 C.OMTの基本知識
 D.治療としてのOMT
 E.OMTの実際
10章 拘縮に対する徒手療法─その2
 A.筋・筋膜性機能障害
 B.筋のインバランス
 C.筋のインバランスによる異常姿勢の例
 D.治療
11章 拘縮の外科治療
 A.関節拘縮に対する治療アプローチ
 B.関節拘縮に対する治療手技
 C.痙性拘縮に対する外科治療

索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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