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今日の皮膚疾患治療指針 第3版

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“皮膚は内臓を見る鏡である”といわれ,皮膚科だけでなく内科・外科・小児科の医師も皮膚疾患に対する知識は必須である。本書は『皮膚疾患診療の百科事典』として好評だった書の改訂第3版。コンパクトなA5判にして日常診療に一層役立つようにした。すべての皮膚疾患に対応できる544項目を,196人の専門医が解説。
シリーズ 今日の治療指針
編集 斎田 俊明 / 塩原 哲夫 / 宮地 良樹 / 渡辺 晋一
発行 2002年06月判型:A5頁:832
ISBN 978-4-260-13355-5
定価 17,600円 (本体16,000円+税)
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  • 目次
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1 プライマリケアのための鑑別診断のポイント
2 皮膚科の主な検査法
3 皮膚科の主な治療法
4 湿疹・皮膚炎とその類症
5 蕁麻疹
6 紅斑
7 紫斑
8 角化症
9 炎症性角化症
10 水疱症
11 無菌性膿疱症および関連疾患
12 膠原病とその類縁疾患
13 脈管性皮膚疾患
14 代謝異常症
15 皮膚萎縮症
16 皮膚形成異常症
17 非感染性肉芽腫症,脂肪織炎
18 薬疹
19 物理・化学的皮膚障害
20 色素異常症
21 母斑,母斑症
22 上皮性皮膚腫瘍
23 神経堤起源性皮膚腫瘍
24 間葉系皮膚腫瘍
25 リンパ・造血組織系皮膚腫瘍
26 ウイルスおよびリケッチア性疾患
27 細菌性疾患
28 真菌・原虫疾患
29 性感染症
30 動物性皮膚疾患
31 汗・皮脂の異常
32 毛髪・爪の異常
33 粘膜疾患
34 内臓病変と皮膚病変
35 皮膚疾患の遺伝相談
36 皮膚心身症
37 付録

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コンパクトに集約された皮膚疾患診療のエッセンス
書評者: 藤本 亘 (川崎医大教授・皮膚科学)
◆拡大する社会の疾病構造の変化に伴う皮膚科の治療対象

 このたび,『今日の皮膚疾患治療指針』の第3版が,第2版の出版から6年ぶりに全面改訂され刊行された。この6年という年月の間,皮膚科学の進歩・発展にはめざましいものがある。新しい検査法・治療法が,次々と登場してきたばかりではなく(ダーモスコピー,デスモグレインELISAからタクロリムス外用剤・ビタミンD外用剤,光線化学療法,sentinel node biopsy,ケミカルピーリングまで),これまであいまいであった病態が,新しい視点から解明されるようになり(種痘様水泡症からdrug-induced hypersensitivity syndromeまで),新知見の集積に伴い疾患分類がより詳細になるとともに皮膚科が治療の対象とする疾患も,社会の疾病構造の変化に伴って拡大し続けている(NK細胞リンパ腫から緩和ケア,褥瘡,しみ,しわ,まで)。1人の皮膚科医がそのすべての領域に精通しているという時代は,とっくに終わっているように筆者には思えるが,良医たらんと欲すれば,無責任な経験主義ではなく,根拠のある診断法や治療法を用いて診療を行なうべきであろう。そのための「指針」が今回,新たな4名の編集担当者によって本書に提示されていると思う。

◆ソフトカバーでハンディに

 第3版を手にして驚いたのは,B5判ハードカバーからA5判ソフトカバーのハンディサイズに変わったことである。実際,PC,周辺機器とその他もろもろの書類で占められた机の上に広げてみると,大きな本でないほうが都合がよいことがわかる。 頁をめくってみる。「プライマリケアのための鑑別診断のポイント」は,144枚にもおよぶ皮膚疾患のカラー写真を使って鑑別疾患を解説してあり,皮膚科研修医や皮膚科を専門としてはいないが,「真摯に」皮膚科を勉強しようという他科の医師に重宝するであろう。「鑑別診断」に続く「検査法」には,生検,ダーモスコピー,コンピュータ利用法,分子生物学的検査法などの項目が新たに追加され,「治療法」にも保湿外用剤,BRM,サイトカイン,皮膚悪性腫瘍の効果判定基準,美容的理学療法など新しい項目が登場している。

◆EBMが要求される診療現場を想定した心憎い配慮

 疾患別の項目を読み進んでみると,ちまたに氾濫する「マニュアル本」とは異なり,実践的な検査・治療に力点をおいた「皮膚科の教科書」をめざしたと思われる編者らのスタンスがみえてくる。すなわち,最新のサイエンスの成果が圧縮された[病因・発生機序]に続き,[必要な検査],[診断のポイントと治療方針]など診療に際して留意すべき点が解説された後に,[治療法]が示されている。さらに多くの疾患において[患者説明のポイント]をつけるなど,インフォームド・コンセント,EBMが要求される診療の現場を想定した心憎いまでの配慮がほどこされている。
 薬疹は独立した章を設けられ,重症薬疹やdrug-induced hypersensitivity syndromeの記載が充実しているのはうれしい。色素性乾皮症が専門医レベルの記載となっているのは,この数年の進歩の著しいことを物語っている。もっともステロイド剤内服による治療の際には,ビスフォスフォネートによる骨粗鬆症の治療にも触れてほしい,腫瘍性紅皮症があって腫瘍随伴性天疱瘡の記載がない,など細かな点で補足したいことがないわけではない。しかし,それらを差し引いても,やはり座右の書として買っておきたい本であることに変わりはない。

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