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骨・関節X線写真の撮りかたと見かた 第7版

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画像診断の要である単純X線写真を中心に、骨・関節の撮影法の実際と読影のポイントを著者自身が描いた豊富な細密画で解説。第7版では165枚の図を新たに描き下ろし、脊椎・脊髄疾患や関節リウマチ、頭部疾患の解説がさらに充実した。各章が解剖図、撮影法、疾患の3項で構成されており、骨・関節の画像検査に携わるすべての人に最適の書。
堀尾 重治
発行 2007年03月判型:B5頁:476
ISBN 978-4-260-00386-5
定価 6,820円 (本体6,200円+税)
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第7版 序
執筆者/堀尾重治

 時の流れは速いものである。本書の初版が上梓されて早くも20年の歳月が過ぎた。この四半世紀にも満たない間に新しい医用画像のモダリティーが続々と登場し,画像診断は飛躍的に進歩した。ことにCT,MRIという革新的なモダリティーの普及によって質の高い診断・治療が可能となったことは周知の事実である。本書もこのような時代的背景の下に改訂を重ね,このたび内容を新たにして『骨・関節X線写真の撮りかたと見かた 第7版』が完成した。これも偏に多くの人々がご愛読くださったお陰と,心から感謝している。ことに画像診断技術の修得を志す学生諸氏の教科書として受け入れられたことは著者として望外の喜びである。
 今回の改訂では,本書に託された役割を十分に認識し,骨・関節疾患のみならず神経疾患の領域にも範囲を広げてその解説を付加した。X線像で把握できない疾患についてはCT像あるいはMR像を提示し,さらに病変を説明した多数の模式図を描いて症例の画像と組み合わせ,画像所見とその病態の関連を容易に理解できるよう工夫した。したがって,内容は,より実践的で,多岐にわたり,幅と奥行きのある豊かなものにすることができた。しかし,本書の中心はあくまでも骨・関節疾患であり,X線検査法の意義と画像のみかたに重点を置いていることには変わりない。
 ひきつづき,本書が骨・関節疾患に関心を抱く人々の手元で広く活用されんことを心から念願している。
 改版に当っては,著者の意図を十二分に汲み取っていただき,見事な本に仕上げていただいた医学書院の関係の方々に心から敬意を表し厚く御礼申し上げます。

 2007年 1月

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第1部 整形外科編
 1. 肩関節
 2. 肘関節
 3. 手関節,手指
 4. 頚椎
 5. 胸椎,胸郭
 6. 腰椎
 7. 脊椎,脊髄
 8. 骨盤
 9. 股関節
 10. 膝関節
 11. 足関節,足
 12. 関節リウマチ
 13. 骨腫瘍
第2部 頭部・耳鼻・顎関節編
 14. 頭部
 15. 耳
 16. 鼻
 17. 顎関節
参考文献
和文索引
欧文索引

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骨・関節の撮影法と読影を解説したロングセラー
書評者: 片山 仁 (順大名誉教授)
 ひとつの著書が第7版まで版を重ねることは,最近の医学関連の出版物にあってはそう多いことではない。本書を利用する人が多く,期待が高いことを物語っている。

 本書は国内に限らず近隣諸国で翻訳されて利用されていると聞いている。本書は堀尾重治氏の努力の結晶であるとの一言に尽きるが,当然,版を重ねるにしたがって充実してきている。第7版ではMRIに関する記述がさらに追加されている。骨格系のMRIとなれば当然,脊椎・関節に重点が置かれる。第7版では特に脊椎に関する記述が充実しており,病的画像所見や臨床症状が要領よくまとめられている。堀尾氏は卓越した放射線技師長であった人であるが,本書をこのレベルまで引き上げた努力は並大抵のものではなかったはずである。その努力と勇気が内容に表れている。心から敬意を表したい。

 さて,本書は診断学の本ではなく,撮影に軸足を置いた解説書である。しかし,撮影法や病的所見がうまくまとめられているので,医療に携わる人が勉強するには格好の内容である。取り上げた疾患や外傷も代表的なものが示されており,通覧的に勉強するにはもってこいの好書である。

 画像をつくる立場にある放射線技師に対しては,骨・関節の撮影体位や病的所見を理解するには大変有用であると考える。病的所見を知らないのと知って撮影するのとでは画像の診断的有用性に違いがでてくるはずである。また,写真を見る立場の人にとっては撮影体位との関連で所見の理解を深めることができると思う。特に,骨折や背椎疾患がよく書けているので,医師にはもちろんのこと,理学療法士や柔道整復師にも座右の参考書として推薦できるものである。

 当然のことながら,本書は骨・関節の撮影や見かたを総覧的に述べてあるので,個々の疾患に立ち入って記述されているわけではない。しかし見事な挿図は大変わかりやすい構成である。7版を重ねることができた理由がよくわかる。加えて,今回の改訂では書き下ろしの図が約180点あり,旧版より流用の図も色の塗り分けをさらに効果的に行うなど,一層視覚的に理解しやすいように工夫してある。堀尾氏がすべて描いた細密画により,撮影方法や読影のポイントをしっかり理解できるように工夫されている。本書の挿図は他に追随を許さない見事なものであり,クリアカットに示された所見は大いに参考になる。MR像の説明では,著者自身も若干隔靴掻痒の感を持っておられると思う。しかし今後,骨・関節画像診断はMRIに依存する度合いが増すであろうから,この第7版でMRIに関する記述が増したことはきわめて意義あることだと思う。
600点を超える画像の細密画を収載
書評者: 鳥巣 岳彦 (九州労災病院長/大分大名誉教授)
 この本は1986年の初版出版以来好評で,改訂作業が重ねられ,今回第7版が上梓された。X線検査の方法とその意義,それに画像の読み方に重点がおかれている。身体の各部位ごとに,新たに書き下ろされた約180点を含む600点以上の著者自筆の細密画が挿入されおり,視覚的にも理解しやすい。

 まず,20年に亘り貴重な執筆を継続され,臨床医や放射線技師の育成に力を注がれた著者の堀尾重治氏の熱意とご努力に,敬意を表したい。

 骨・関節疾患の画像検査の中で,X線撮影は必須のしかも最も基本的な検査であることは医師であれば誰にでも理解できる。しかし,日常診療で頻繁に行われる検査でありながら,臨床医は単に2方向撮影や斜位撮影をオーダーするだけで,撮影方法に関心を示す医師は意外に少ない。病変を的確に描出するには,まず,X線の入射方向や照射軸の位置や撮影肢位が重要である。本書には舟状骨骨折の描出には手関節の軽度背尺屈位での撮影がよいなどが,随所に図示されていてありがたい。

 目的の病変をX線撮影で描出するには,それなりの努力と工夫が必要で,部位ごとに特殊な撮影方法が求められる。例えば,高齢者の膝関節痛で変形性関節症を疑った場合,通常の臥位での2方向撮影では初期病変を見落としやすいし,大腿脛骨関節の関節軟骨のすり減り具合を的確に判定することは不可能である。正しく診断するには,立位での撮影やRosenberg撮影が不可欠である。また,スポーツで膝関節を痛めて患者が来院したとき,単純X線撮影で骨折がない場合には安心し漫然とした診察になりやすい。靱帯が完全に断裂していても単純X線撮影では判断できない。捻挫(靱帯損傷)を診断するにはストレス撮影が不可欠である。この本にはそれらが網羅してある。

 画像の細密画は圧巻である。色を塗り分けてあるので分かりやすい。正常像と異常像が比較できること,筋腱付着部を図示し骨折の転位骨片を解説してあること,X線撮影での病変部位をCT像やMR像の模式図入りで対比できることなど,日常診療で診察机に置いて活用したい本である。

 患者さんへの説明の際に,X線写真そのものよりも図解すると理解されやすい。そんな時,この本があると役に立つ。ぜひお薦めしたい。

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