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脳血管内治療のDo's & Don'ts 第2版

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脳血管内治療の進歩は目覚しく、治療の有用性が認知され、その成功の要求度も高くなってきた。好評の初版から3年、デバイスの進歩、革新的使用法、経験的なストラテジーの蓄積等、技術面をbrush upし、治療のDo’s & Don’ts、最新情報を提供。安全確実な血管内治療を学ぶ若手へ、先達からの伝承を主眼に治療最前線の秘伝を惜しみなく贈る!
編集 吉田 純 / 宮地 茂
発行 2006年10月判型:B5頁:520
ISBN 978-4-260-00353-7
定価 13,200円 (本体12,000円+税)
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  • 目次
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1. 脳神経血管内手術の歴史
2. セットアップと血管造影
3. カテーテリゼーション
4. 破裂動脈瘤
5. 未破裂動脈瘤
6. 脳動静脈奇形
7. 小児脳血管奇形
8. 脊髄動静脈奇形,動静脈瘻
9. 硬膜動静脈瘻
10. 外傷性頸部・脳血管障害
11. 脳腫瘍
12. 頭頸部血管性病変と鼻出血
13. 脳塞栓(局所線溶療法)
14. 頸動脈およびその他の頭蓋外主幹動脈狭窄
15. 頭蓋内脳動脈狭窄
16. 脳血管攣縮
17. 脳血管内治療に必要な血管の発生と解剖
18. インフォームドコンセント
19. クリニカルパス
20. 脳血管内治療デバイス開発の現状
付録 脳血管内手術用代表的器材の使用法と注意
参考文献
索引

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発展著しい分野の最新知識の情報源
書評者: 伊達 勲 (岡山大大学院教授・脳神経外科)
 脳神経外科に限らず外科系の治療全体にいえることであるが,より低侵襲に治療を行う,というコンセプトが求められる時代になっている。脳血管内治療はこのコンセプトに沿う治療法として発展の著しい分野の一つである。

 この治療法に新しくとり組む医師の数も年々増加している。このような状況下で,名古屋大学脳神経外科の吉田純教授と宮地茂助教授の編集により,『脳血管内治療のDo’s & Don’ts』の第2版が出版された。新しい分野の治療では,「何をすべきか(Do’s)」という点以上に,「何をしてはいけないか(Don’ts)」という点が,より安全で確実な治療を行ううえで重要であり,タイムリーな内容である。

 3年前に出版された第1版が368頁であったのに対し,今回の第2版では520頁と約1.5倍近くに増えており,この分野の発展の度合いが頁数にもあらわれている。内容を拝見してまず目につくのが「Side memo」の充実ぶりである。どの教科書でも,この「Side memo」のコーナーは,ちょっと視点を変えた話題が提供されているため,興味深く読めることが多い。本書では「Side memo」は面白い読み物風になっているわけではないが,実際に脳血管内治療を行ううえでの実用的な問題がリアルに記載してあり,臨床上大変役立つものと期待される。

 画像誘導下に行われる脳血管内治療においては,個々の症例の記載が実際の臨床に有用である。その点,本書に掲載されている臨床例の多さ,具体的な手順に沿った写真のクリアさは,賞賛に値する。それぞれの図に添付されている説明文もコンパクトでわかりやすく,図の中の矢印などの符号を見ながらすっと頭にはいってくる。教科書を支える重要な要素の一つが,参考文献であるが,本書では巻末に多くの参考文献が章毎に記載されており,必要ならばその文献を調べることでより深く学ぶことも可能である。欲をいえば,それぞれの文献がどの文章に対応しているかについて,可能な範囲で記載してあれば,読者にとってはより好都合であろうが,本書が雑誌論文ではなく教科書であるということを考えると,そこまで望むのは酷かもしれない。

 本書のもう一つの特徴は,インフォームドコンセントの章であろう。編者の1人である宮地茂先生の執筆による部分であり,時代を反映して第1版に追加して項目も増えている。この章は同一著者による執筆であるので,文章の流れも一定しており,読者にとっては大変参考になるものと思われる。また,巻末付録の脳血管内手術用代表的器材に関する説明も大変詳しく,実用的である。この分野では新しい器材の開発が目白押しであるが,現時点で使用可能な多くの器材について具体的記載があることは,実際に脳血管内治療を行っている読者にとってはありがたい。

 以上のように,本書は脳血管内治療を行う医師にとって最新の知識の情報源として大変有用であり,かつ実用的な教科書である。皆さんが本書を参考にしながら,より安全で正確な脳血管内治療を行われることを祈る。

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