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AO法骨折治療 Hand and Wrist [英語版DVD-ROM(Win版)付]

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すでに大きな反響を呼んでいる原書「Hand and Wrist」の日本語版。AOシリーズならではの色彩豊かなシェーマと、厳選された症例写真を用い、手と手関節の手術手技をわかりやすく解説。また、付属のDVDでは本書で紹介されている症例の一部を動画として閲覧することもできる。AOがおくる「手と手関節」の総合的手術書。
Jesse B. Jupiter / David C. Ring
監訳 田中 正
訳者代表 金谷 文則
発行 2006年05月判型:A4頁:360
ISBN 978-4-260-00243-1
定価 26,400円 (本体24,000円+税)
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1 Hand
 1.1 Hand-基本テクニック
 1.2 基節の螺旋骨折:ラグスクリュー
 1.3 基節骨頭部の両顆骨折:ラグスクリューまたはコンディラープレート
 1.4 基節骨頭部の単顆骨折:ラグスクリュー
 1.5 近位指節(PIP)関節脱臼骨折:ラグスクリューまたは創外固定
 他
2 Wrist-舟状骨
 2.1 舟状骨-基本テクニック
 2.2 舟状骨の転位のない骨折:キャニュレイテッドスクリューによる経皮的固定
 2.3 舟状骨腰部の転位した骨折:関節鏡下スクリュー固定
 2.4 舟状骨の多骨片骨折:スクリューを用いたORIF(観血的整復内固定)
 2.5 月状骨周囲脱臼:スクリューおよび創外固定器
 他
3 Wrist-橈骨遠位
 3.1 橈骨遠位-基本テクニック
 3.2 単純関節内骨折-23-C1:非架橋式創外固定器
 3.3 背屈した関節外骨折-23-A3:ノリアン法
 3.4 単純関節内骨折-23-C1:架橋式創外固定器
 3.5 月状骨小関節面の圧迫骨折,冠状割裂骨折-23-C1:引き寄せ締結法
 他
4 インストゥルメントおよびインプラント
 4.1 手・手関節・橈骨遠位部用インストゥルメント/インプラントセット
5 用語集
I 索引
DVD-ROM(英語版・Windows専用)操作ガイド

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多数のPearlsとPitfallsを収載 効率的に手術のコツを習得
書評者: 岩本 幸英 (九大教授・整形外科学)
 この度,手および手関節の骨折治療に関する手術手技と,最新のAO固定法を紹介した『AO法骨折治療 Hand and Wrist』が出版された。金谷文則先生,別府諸兄先生,吉田健治先生の翻訳,田中正先生の監訳によるものであり,わが国の代表的なHand Surgeonが,本書の内容を広く伝えようとしている意気込みが伝わってくる。自分が研修医の頃,教科書を読んでAO法の原理を理解し,胸を高鳴らせて骨折の手術に臨んだことを思い出しながら本書に目を通してみた。

 本書の特徴は,豊富なカラー写真や図を用い,手指骨,手根骨,橈骨遠位端の個々の骨折について,術前計画,手術進入法,AOインプラントを用いた固定法,後療法を簡潔かつ明瞭に記載している点にある。そのため,今から手の外科を学ぶ若い整形外科医にとって,治療のポイントを要領よく頭に入れることができる。また,まさに“待ったなし”の骨折治療の現場で,正しい治療法を短時間のうちに確認する上でも有用である。

 また,各々の骨折に対し,スムーズに手術を行うためのヒント(Pearls)と,陥りやすい落とし穴(Pitfalls)が記載されている点は,本書の最も大きな長所である。これらは今までの教科書にはほとんど記載されておらず,数多くの症例を経験するうちに徐々に習得することが多かったが,本書のPearlsとPitfallsを精読すれば,効率的かつ短時間のうちに手術のコツを身につけることができるであろう。

 本書に付属しているDVD-ROMは,骨折の固定手技だけでなく,手術進入法も確認できるように工夫されている。これは術前計画の立案に有用なばかりでなく,教育にも大きな威力を発揮すると思われる。近年,日本整形外科学会の専門医試験にもビデオ問題が導入され,臨床の現場で役に立つスタンダードな診察,治療手技を身につけているか否かが試されるようになった。指導医にとって,典型的な症例に対するスタンダードな治療を研修医に見せることは必ずしも容易ではないが,このDVD-ROMを用いればいつでも好きなときに紹介できるであろう。

 故・天児民和九州大学名誉教授は手の外傷に対する治療を重要視され,日本手の外科学会の創設に際し,「我々臨床外科医にとっては,手の損傷を可及的に機能障害の少なき状態に回復せしめる技術を修得することが重要なる任務と責務であると思う」と述べられた。手の外傷の治療の重要性は今昔を問わない。手の外傷の治療法の発達は日進月歩であり,整形外科医であれば誰でも手の外傷に関する最新の情報を入手し,実践に備える必要がある。手の外傷に関する最新の情報をわかりやすく解説してある本書を,手の外科を専門としない先生に対しても,必読の書として自信をもって推薦したい。

AOの治療概念に則した整形外科医座右の書
書評者: 三浪 明男 (北大大学院教授・整形外科学)
 Dr. Jesse B. JupiterとDr. David C Ring著「AO Mannual of Fracture Management」が田中正先生監訳,金谷文則先生,別府諸兄先生,吉田健治先生訳によって「AO法骨折治療Hand and Wrist」として医学書院より出版されることとなりました。

 AO(Arbeitsgemeinschaft fur Osteosynthes)が1958年にMaurice Mullerとスイスの外科医グループにより設立されて以来,AOは安全確実な手術原理の確立,信頼性の高い内固定材料の開発などにより骨折治療の改革と治療成績の向上を目指してきています。また,AOは従来の骨折治療に対する考え方を一新すべく,一次性骨癒合を可能とする骨折部の安定性(rigid fixation)とそれによって隣接関節の早期自動運動を行い,術後拘縮のリスクを軽減することに努めてきています。AOグループは治療結果を適確に評価し,それらを他の整形外科医の指導に実習という形でとり入れてきています。これらの考えは現在の骨折治療の根幹を形成するまでに浸透していると考えます。

 Jupiter先生は日本からの多くの手の外科医を指導されておられますし,日本にも頻繁にお越しですのでご存知の先生も多いと思いますが,現在American Society for Surgery of the Hand(ASSH)の主要メンバーであるとともにAO Education BoardのChairmanであり,教育法に関しては定評のあるところで,本書にもその特徴が随所に見られます。

 監訳者の田中正先生が記載されているように,本書は手関節,手指における全てのタイプの外傷を取り上げているわけではありません。しかし,症例に基づいた教育方法という観点から,臨床例を通して骨折治療法を学べるようになっています。骨折症例の提示に始まり,術後計画をどのように立てるべきか,手術進入法はどうすべきか,安定した固定性を得るためにはどうすべきか,術後療法をどのようにすべきかについて順を追って解説されていますので大変わかりやすい構成となっています。フルカラーの豊富な写真や図が多数用いられており,大変わかりやすく編集されていることと,各項目の最後には必ずPitfallsとPearlsが簡潔に記載されており,合併症とその回避法について説明されていることも本書の重要な特徴と思います。

 本書の前に翻訳されたAO法骨折治療(AO Principles of Fracture Management)と同様に,本書でも固定手技だけではなく手術進入法もビデオ化されており,さらにDVDを解説付きで見ることができ,読者にとって非常にわかりやすくなっています。

 手関節,手指の骨折はよく遭遇する外傷であり手の外科を専門とする医師,一般の整形外科医にとって,本書は非常にわかりやすく,AOの治療概念に則した最新の固定手技の習得に役立つものと思います。

 日常治療においてすべての整形外科医にとって座右の書であることを力説したいと思います。

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