内科学 第4版

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超高齢社会の現在、内科的疾患を併存するリハビリテーション対象者も多く、また、心臓・呼吸器疾患、がんなどの内部障害へもリハビリテーションの対象は広がっている。チーム医療で進められるリハビリテーションでは、PT・OTは専門的知識に加え、内科学の知識も学ぶ必要がある。本書は、PT.OTに必要な内科学の知識をコンパクトにまとめた定番のテキスト。第4版はカリキュラム改訂に伴う栄養学・救命救急の章も新設した。

*「標準理学療法学・作業療法学」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野
シリーズ監修 奈良 勲 / 鎌倉 矩子
編集 前田 眞治
発行 2020年11月判型:B5頁:416
ISBN 978-4-260-04290-1
定価 6,600円 (本体6,000円+税)

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第4版 序

 版を重ねこの度,本書は第4版が出版されることになった.2000年に初版が出版され20年の年月が流れている.医学の発展も著しく,医療機器の進歩なども加わり,その進歩は目を見張るものがある.内科学も例外でなく,AI(人工知能:Artificial Intelligence)診断学の進歩や血管内治療,そのターゲットとする医療も分子学的レベルや遺伝子学的なレベルにまで及んできている.
 リハビリテーションはこの数年,呼吸リハビリテーション,心臓リハビリテーション,腎臓リハビリテーション,がんをはじめとする悪性腫瘍のリハビリテーションなどが通常のリハビリテーションのなかで幅広く展開されるようになり,その対象者は内科系全般に関連している.
 また,超高齢社会においてはリハビリテーション医療を行う対象者のほとんどが内科系疾患を合併しており,内科の知識なしにリハビリテーションを安全・円滑に行うことは不可能である.
 対象者の身体状況・疾病状況を理解することで,リハビリテーションを行っている際の体調変化にも早期に気づき,全身状態が把握でき,リハビリテーションを効率よく安全に行うことができる.対象者も医療者の高度な知識に守られているという実感から,身体を任せても大丈夫という心理的な安心感が得られ,対象者とのコミュニュケーションも円滑になることにつながっている.
 本書の内容は理学療法士・作業療法士国家試験出題基準に準拠しているが,国家試験の範疇にとどまらず広範な内科学の知識が網羅されており,常に臨床の現場でも役立つ豊富な情報が得られる書物であると自負している.
 内科学を初めて学ぶ人が,手に取って読みやすく,理解しやすくすることを念頭に,最初に内科学の基本として,内科学とはどのようなものであるかに触れ,診察のしかたや症状のとらえ方,症候学,検査法などを導入部分におき,解説している.その後に,臓器別・系統別に疾患の病態生理・症状・治療法などを最新の知見をもとにまとめている.また,第4版ではリハビリテーションの視点からみた「栄養学」と,臨床現場で生じうる体調変化に即応できるように「救急医学」について新たに触れている.
 内科学という臨床で最も基本的な知識のなかで,リハビリテーション専門職の観点から必要な知識を的確に網羅することを本書の最重要課題としている.そのため実際にリハビリテーション医療に従事して,常に対象者の内科学的管理も行いながらリハビリテーション医療を実践しているリハビリテーション科の医師によって,リハビリテーションに必要な内科学の観点から執筆していただいていることが本書の特徴である.
 第4版でも熱意をもって関連専門職の育成に尽力している教員である,東北大学の上月正博教授,熊本保健科学大学の飯山準一教授に引き続き執筆いただいた.また,新たに国際医療福祉大学の瀬田拓教授に参画・分担執筆していただいた.本書が,理学療法士・作業療法士などの専門職が良好なリハビリテーション医療を行うために貢献することを期待するものである.

 2020年10月
 編者 前田眞治

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序説 理学療法士・作業療法士にとって内科学を学ぶ意義

1 内科学とは
 A 内科学の概念
 B 内科学とリハビリテーション

2 内科的診断と治療の実際
 A 診断・鑑別診断の進め方
 B カルテの書き方
 C 診察法
 D 臨床検査
 E 内科的治療
 F 理学療法・作業療法との関連事項

3 症候学
 A 発熱
 B 全身倦怠感
 C 食欲不振・食思不振
 D 悪心・嘔吐
 E 易感染性
 F 意識障害
 G めまい
 H 浮腫・むくみ
 I レイノー現象
 J 頭痛
 K リンパ節腫脹
 L ショック
 M 理学療法・作業療法との関連事項

4 循環器疾患
 A 循環器系の解剖と生理
 B 循環器疾患の主要な症候
 C 循環器疾患の診断法
 D 循環器疾患各論
 E 心臓リハビリテーション
 F 理学療法・作業療法との関連事項

5 呼吸器疾患
 A 肺の解剖と生理
 B 呼吸器疾患の症候とその病態生理
 C 臨床検査所見
 D 呼吸器疾患各論
 E 呼吸リハビリテーション
 F 理学療法・作業療法との関連事項

6 消化管疾患
 A 消化管の解剖と生理
 B 消化管疾患の症候とその病態生理
 C 消化管疾患の検査法
 D 消化管疾患各論
 E 理学療法・作業療法との関連事項

7 肝胆膵疾患
 A 肝臓
 B 胆道系
 C 膵臓
 D 腹膜
 E 肝胆膵疾患の検査・診断法
 F 肝胆疾患各論
 G 膵疾患各論
 H 腹壁・腹膜疾患各論
 I 理学療法・作業療法との関連事項

8 血液・造血器疾患
 A 血液の生理
 B 造血と血液細胞の分化
 C 血液疾患の主な症候
 D 血液の検査法
 E 血液疾患各論
 F 理学療法・作業療法との関連事項

9 代謝性疾患
 A 代謝調節の仕組み
 B 代謝性疾患各論
 C 理学療法・作業療法との関連事項

10 内分泌疾患
 A 内分泌総論
 B 内分泌検査法
 C 内分泌疾患各論
 D 理学療法・作業療法との関連事項

11 腎・泌尿器疾患
 A 腎臓の解剖と生理
 B 腎疾患の症候とその病態生理
 C 腎・尿路系疾患の検査
 D 腎・泌尿器疾患各論
 E 電解質代謝の異常
 F 腎臓リハビリテーション
 G 理学療法・作業療法との関連事項

12 アレルギー疾患,膠原病と類縁疾患,免疫不全症
 A 免疫系の働き
 B アレルギー疾患
 C 膠原病
 D リウマチ性疾患
 E 免疫不全症
 F 理学療法・作業療法との関連事項

13 感染症
 A 感染症総論
 B 感染症各論
 C 理学療法・作業療法との関連事項

14 リハビリテーションに必要な栄養学
 A 栄養,栄養素
 B 食物の消化吸収と代謝
 C 体内で合成できない栄養素
 D 必要栄養量の決定
 E 栄養評価・診断と栄養サポート
 F 代替栄養法
 G 理学療法・作業療法との関連事項

付録 救命救急の知識
 A リハビリテーションで必要な救急処置
 B 具体的な救急救命処置
 C 窒息時の対応
 セルフアセスメント

索引

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