第3章 消化管疾患 >> 胃疾患 >> 1.肥厚性幽門狭窄症(胃の位置・形態異常) ■診断 ■治療 |
■診断
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胃内視鏡検査では,子宮頸部様所見(cervix sign)が特徴とされている.しかし,本症はまれであること,および悪性疾患が除外できないことより,術前診断は非常に困難である.内視鏡下の生検も加味しての診断が重要である.
■治療
治療は内視鏡的拡張術が行われることがあるが,本症は術前に悪性疾患を除外できないことが多いことから,幽門側胃切除術を施行する場合が多い.
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■診断
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診断方法は新生児・乳児と成人では異なる.本疾患の大多数を占める新生児・乳児では生後数週間から3カ月程度に,噴水状の嘔吐で発症する場合が多い.以前はX線造影により幽門狭窄を証明していたが,最近では腹部超音波検査が第一選択となっている.腹部超音波検査により肥厚した幽門筋と延長した幽門管が特徴的な所見である.
一方,非常に稀な成人の場合には,悪性疾患が除外できないことから,内視鏡検査,内視鏡下の生検も加味して診断することが重要である.
■治療
治療についても新生児・乳児と成人では方針が異なる.新生児・乳児の場合には幽門筋切開(Ramstedt手術)が良く知られており,保存的治療として硫酸アトロピン療法も注目されている.
成人については,内視鏡的拡張術が行われることがあるが,術前に悪性疾患が除外できない場合が多いことから,幽門側胃切除を施行する場合が多い.
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2013.04.01 |