医学書院の70年
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1966.04.25『胃と腸』創刊『胃と腸』は社を代表する重要な雑誌の一つである。創刊は1966年4月25日,表紙のタイトルは『胃と腸』とされた。12年後の表紙は『胃と腸』となり,「腸」の文字が「胃」と同じ大きさになった。これは創刊号で東京医科歯科大学の村上忠重先生が「いつ同じ大きさになるかが関心事である」と述べているように,当時は「大腸」領域の診断学が「胃」領域に比べて遅れていたことを表したものであり,12年後,その領域の格差もなくなり,雑誌の内容が消化器病(肝を除く)を網羅するものになったことを示している。 『胃と腸』の母体である「早期胃癌研究会」はエーザイ株式会社が販売促進のために全国的に組織した研究会であり,主に開業医の間で難解なX線写真の読影(診断)を行う勉強会であった。それは全国規模で毎月東京のエーザイ本社ホールで行われていたが,貴重な症例が多かったことから,まとめて雑誌として発行できないかとエーザイから社に持ち込まれたことが企画の発端である。全国組織の研究会とあって,雑誌の編集委員は50名ほどの大人数となった。また,当時は胃潰瘍で胃を切除した時代。良性か悪性かの判定を主『胃と腸』創刊号表紙(1966年)The cover of the inaugural issue of Stomach and Intestine, 1966.70 years of igaku-shoin078

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