医学書院の70年
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1948.11.27医学書院は医学系,看護系を合わせて31誌(2014年1月1日現在)を発行している日本でも有数の医学雑誌発行元であるが,(「雑誌一覧」206頁参照)医学系雑誌が設けている顕彰について,創立の年代順に沿って概要を紹介する。前二者以外は現在も継続されている。◉『綜合医学』賞医学雑誌『綜合医学』を母体にして創設された。戦後の物資不足のさなか研究費の補助,また優れた研究の顕彰として発足。初回は1948年11月27日に実施され,1等賞金で2万円をはじめ総額5万円の賞金を授与。1953年には賞金を10万円に増額した。1960年になり発行雑誌の原著論文を対象としたため専門分野の異なる論文の評価に意見が分かれ,審査は困難を極めた。1967年(第17回)には原著雑誌ごとに年間最優秀論文1篇と改め,入賞者が増加。その後,新雑誌の創刊に伴い『綜合医学』賞の趣旨が曖昧となり1975年(第24回)で終了となった。この間の全入賞論文は145篇にのぼる。◉『臨床検査』私のくふう賞『臨床検査』誌では「私の工夫」として臨床検査技師が日常の業務で得た創意工夫を寄稿し,掲載された中から編集会議で独創性があり実用的な工夫を選定し表彰する。1969年に創設,1997年まで続いた。また,同誌の編集主幹を長年務めた樫田良精先生の東京大学定年退官を機に「樫田賞」が1973年に創設され,第14回(1986年)で終了した。◉ 村上記念『胃と腸』賞『胃と腸』誌の第11巻(1976年)から『胃と腸』賞は創設された。同誌に掲載された論文の中から編集委員によって年間最優秀論文1篇を選出,「早期胃癌研究会」の席上で賞状・賞牌・賞金を贈呈される。その後,同研究会の代表を務めた村上忠重先生(東京医科歯科大学教授)の功績を記念し1983年から「村上記念『胃と腸』賞」に名称を変更。2013年現在38回を数える。また,『胃と腸』本誌および「早期胃癌研究会」に多大な貢献をされた白壁右ページ:第1回綜総合医学賞授賞式の案内Opposite page: Announcement of the rst presentation ceremony for Sogo-Igaku Award.医学雑誌における顕彰第1回『綜合医学』賞授賞式70 years of igaku-shoin020

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