医学書院の70年
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2006.10.06IPA(International Publishers Association:国際出版連合)は1896年にパリで設立された。現在,本部はスイスのジュネーブにある。その主な目的は, 1886年に国際的に締結された「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」を,出版社の立場から世界各国で適切に運用し,遵守するために活動することである。設立以来現在に至るまで,著作権の保護はIPAの最大の使命となっている。 また,出版の自由を守り流通を確保することも主要な課題である。時折開発途上国で流通制限,著者の拘束などの規制が問題となるが,IPAではこうした流通,言論,起業など,出版にかかわるあらゆる制限を排除するため,さまざまな活動を行う。世界各国ならびにUNESCO(United Nations Educational,Scienti c and Cultural Organization :国際連合教育科学文化機関),WIPO(World Intellectual Property Organization :世界知的所有権機関),WTO(World Trade Organization :世界貿易機関)といった国際機関と協調し,著作権問題や出版の自由問題などにおいて密接な連携を保っている。 現在IPAは世界50か国,60団体がその会員となっている。通常は1か国に1団体が会員となるが,スイスやカナダのように公用語が複数ある国については1か国2団体まで登録できる。日本からは日本書籍出版協会がIPAの会員として登録しており,この協会で2000年以降副理事長を務める社長の金原優は,2006年10月6日のIPA年次総会で副会長に選出され,2007年1月1日から2009年12月末日までIPA副会長を務めている。 IPAは変化する市場,進歩する技術に対応するため,これまで4年に一度の開催であった世界大会を2014年から2年に一度としたが,2014年に予定されていたバンコクでの開催は,政情不安のため翌2015年に延期された。金原優,IPA副会長に選出されるYu Kanehara’s Election asVice-President of the International Publishers Association70 years of igaku-shoin180

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