医学書院の70年
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2001.01.25日本著作出版権管理システム(JCLS)設立日本国内での出版物からの複写(紙コピー)が年間14億枚にも及ぶことがわかり,出版物の複写を管理する団体の必要性が求められ,出版者著作権協議会(出著協),学術著作権協会(学著協),著作者団体連合(著団連)の三者により1991年9月30日に日本複写権センター(JRRC)が設立された。 1999年11月,社長の金原優は『出版界は今何が問題か』という72頁の小冊子(非売品)を公刊し関係者に配布した。このなかで,JRRCが設定している複写許諾単価が一律頁2円であることに対して問題提起している。 専門書は,読者の数が限定され,また複写される頻度も高い。専門書出版社(者)にとってJRRCの複写単価は安すぎる。解決策として,出版社(者)が定めた単価によりJRRCが個別に許諾を与えるという特別委託出版物方式(白抜きR)を,JRRCは制度として持ってはいたものの,年間数十件の利用のみであり機能しているとは言えなかった。出著協は1999年10月1日付の要望書以来「白抜きR」の周知徹底と実務推進を申し入れていたが,2000年12月,JRRCは「白抜きR」業務を行わないことを正式に決定した。これにより「白抜きR」として登録していた出版物の複写にかかる権利は宙に浮くことになった。 JRRCが不扱いとした出版物を管理し,著作者・出版社(者)の権利を守るために,日本医書出版協会,自然科学書協会の支援と協力を得て,2001年1月25日,株式会社日本著作出版権管理システム(JCLS)が設立された。JCLSの業務は,出版社(者)から複写にかかる権利の委託を受け,複写利用者に許諾を出し,出版社(者)が定めた複写使用料を課金し,それを出版Foundation ofJapan Copyright Licensing System Co., Ltd.70 years of igaku-shoin168

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