医学書院の70年
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2000.02.01標準理学療法学・作業療法学教科書シリーズ刊行高齢化の進行とともに,リハビリテーションの重要な担い手となる理学療法士(PT),作業療法士(OT)の必要性が高まることが見込まれ,1990年代半ばからPT・OTの養成校に向けた新しい教科書シリーズの検討が始まった。 1999年4月には「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」が改正され,科目の大綱化と単位制が導入された。新シリーズはこれに準拠し,PT・OT共通の「専門基礎分野」と「PT専門分野」,「OT専門分野」の3本立てとし,まずは専門基礎分野から着手することとなった。 シリーズの監修は,専門基礎分野については奈良勲(当時広島大学教授,PT協会長),鎌倉矩子(当時広島大学教授)の両先生に依頼。PT専門分野は専門基礎分野と同じく奈良先生,OT専門分野は矢谷令子先生(当時新潟医療福祉大学教授)にお願いした。全巻とも2色刷,図表を多用したビジュアルな構成とし,「学習目標」「Advanced Studies」「Note」など学習効率を高める工夫を凝らした。2000年2月1日の専門基礎分野『小児科学』の発行を皮切りに,翌2001年にはPT専門分野,2004年からはOT専門科目の各タイトルが順次発行された。 一方,時を同じくして規制緩和による全国的な養成校の新設ラッシュがあり,入学定員が急増した。企画立案当初,1998年のPT・OT養成校数(入学定員)がPT 104学科(3,538名),OT 93学科(2,960名)であったのに対し,2014年4月にはPT 281学科(13,263名),OT 193学科(7,179名)となった。この定員増加と,社の積極的な販促活動とが相まって,多くの養成校で教科書指定を受けることとなり,売上部数を大きく伸ばした。 シリーズ刊行後は,各タイトルの定期的な改訂を重ねるとともに,専門基礎分野では4色化を導入し,専門分野では教育現場でのニーズを汲んだ新タイトルを追加している。70 years of igaku-shoin164

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