医学書院の70年
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前身の「日本医学雑誌株式会社」が設立された1944年8月18日から半世紀を経過した1994年8月18日が,社の創立50周年記念日である。株式会社医学書院(1950年12月1日に法人登記)に改称後,社長には今田見信,金原一郎,金原元,長谷川泉,椿孝雄を経て金原優が就任し,その在任中に50周年を迎えることとなった。 時は不況下でもあり,いわゆる記念パーティの開催は見送られた。1994年8月31日に本社地下1階の社員ホールで内々の会合が開かれただけであったが,これに先立つ同年1月6日の新年互礼会には,創立50周年記念の一環として1984年以降の定年退職者を招待した。その約1年後,1995年6月15日付で『医学書院50年史』が上梓された。1993年9月に編集委員が決定してから,発行までにおよそ2年9か月を要した力作であった。 『50年史』は,大きく「書籍目録」と「医学史」の二つの要素から成っている。書籍目録は,原則としてすべて現物に当たり,書名・著者名も発行当時のものを採用。『40年史』に採録していない書籍もいくつか見つかり収載された。翻訳書籍にはすべて原書名 ・出版社名,原書発行年を付している。医学史では,ストレプトマイシンの発見から遺伝子治療までの50年にわたる歴史に,著者の先生方をはじめ日本の医師たちがいかにかかわってきたのかが,明快な文章で綴られている。その他,当時相談役であった金原一郎の「父寅作の思い出」の再録,国際出版・電子出版・洋書輸入事業の足取り,各種の文化事業などが記録され,口絵には主要出版物のカラー写真も掲載された。時代の動きを敏感に察知し,改革を重ねてきた組織の歴史を読み取ることができる。左ページ:『週刊医学界新聞』2104号(1994年8月8日付)―「創業50周年記念号」として12頁にわたって特集が組まれた。社長の金原優は冒頭の挨拶のなかで,医学・看護学の発展とともに築いてきた社の50年を振り返り,医書専門出版社として今後も迅速かつ正確な情報を提供していく決意を新たにした。Opposite page: The Igakukai Shimbun (New Medical World Weekly) issued on August 8, 1994. (No.2104)― This 12-page issue was a special edition commemorat-ing the fiftieth anniversary of the foundation of Igaku-Shoin Ltd. The President, Yu Kanehara, looked back over the half-century history, along with the development of medicine and nursing, and reiter-ated his determination to continue the quick dissemination of accurate and transparent information as the leading medical publisher in Japan.下:『医学書院50年史』Below: The book commemorating Fifty Years’ History of Igaku-Shoin Ltd.153

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