医学書院の70年
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1991.06.16金原優,全国医書同業会会長に就任全国医書同業会は「三位一体」を合言葉に出版,取次,小売(書店)の連携を保ち,円滑な医書流通の維持,発展のため種々の活動を行っている。 全国医書同業会の歴史は古く,前身は「医書組合」と呼ばれ,医書関係の出版と医書の販売を行う医書籍店の集まりであった。1875年(明治8年)創業の金原医籍店(金原出版の前身)や1879年(明治12年)創業の南江堂などが参加し,1893年(明治26年)4月に創立されている。その時期は1886年(明治19年)とも1891年(明治24年)ともいわれ諸説がある。当初は単に医書組合と称していたが,1934年(昭和9年)に「全国医書組合」と改称した。1937年(昭和12年)には組合員105人との記録が残っており,他の書籍組合に先んじて医書組合は相互の親睦と発展を図っていた。 第二次世界大戦中,全国医書組合は時局に基づき解散,戦後の再建は1947年(昭和22年)4月,東京近辺の医・歯・薬・獣医書を出版,販売する業者で設立した「医書同業会」であり,戦後まもない混乱期の用紙配給の難路を乗り切るためにも大いに活躍した。会員数は出版,取次,小売の三者を合わせて約35社であった。やがて組織は全国的に広がり,1980年(昭和55年)総会で名称を「全国医書同業会」と改めた。 1991年(平成3年)6月16日開催の全国医書同業会総会において当時医学書院会長であった椿孝雄の後を受け,社長の金原優が会長に選任された。1992年(平成4年)全国医書同業会は創立100周年を迎え,金原優会長のもと記念行事が行われ,記念誌が発行された。歴代会長には金原一郎も名を連ねている。2014年(平成26年)8月現在,その会員は出版53社,取次6社,書店62社,合計121社となっている。全国医書同業会創立100周年新年互礼会での来賓による鏡開き(1992年1月5日/帝国ホテル)New Year’s banquet for the 100th anniversary of The Japan Medical Publication Trade Association held at the Imperial Hotel, Tokyo, Janu-ary 5, 1992 ̶The guests of honor breaking open the sake cask.70 years of igaku-shoin142

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