医学書院の70年

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1987.07.27金原優，代表取締役社長に就任現在の社長，金原優は金原元の長男，すなわち創業者，金原一郎の孫として1949年1月3日，東京都文京区千駄木に生まれた。文京区立誠之小学校，成城学園中学校，同高等学校を経て1967年，成蹊大学工学部経営工学科に入学。当時の最先端であるコンピュータを活用した経営学について学んだ。1971年，大学卒業と同時にNew YorkのCBS, Inc.に入社，国際出版部門に配属される。同社に在籍した5年間に本場の出版のノウハウだけでなく，米国流のビジネスの考え方，英語力などを体得した。1976年4月，帰国して社に入社すると，米国での経験を活かし，国際出版部において日本人の著作物を世界に広めるべく，主として英文出版の販売に取り組んだ。　この販売促進のために1977年10月，地の利のあるNew Yorkにおいて現地法人のIgaku-Shoin Medical Publishers, Inc.（ISNY）を設立，同社のExecutive Vice Presidentに就任する。1978年9月，金原元の逝去に伴い名実ともに同社社長となる。この米国での拠点は東京の国際出版部で発行する英文出版物を世界へ流通させるためのルート開拓と販売を担った。同時に当時の社の大きなビジネスである，洋書輸入の仕入れ窓口の役割を務めた。　このISNY業務や洋書業務，およびその後の合弁会社設立においては海外版元との厳しい交渉が必要となったが，重要な局面でも通訳を介さず，すべて単独で交渉した。交渉相手の一人であったWaverly社のEdward B.Hutton Jr.元社長は，後になって優を，“tough negotiator”と評している。こうして「世右ページ：「医学書院の会」（金原一郎・金原元を偲ぶ会）にて（1998年8月30日／ホテルオークラ東京）Opposite page: The ceremony held by Igaku-Shoin Ltd. in remembrance of Ichiro Kanehara and Hajime Kanehara (Hotel Okura, August 30, 1998). Yu Kanehara’s Appointment asthe President of Igaku-Shoin Ltd.70 years of igaku-shoin132