医学書院の70年

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1986.12.02医学書院は創立40周年を迎えるころから自然科学の分野では日本で最大手，世界でも有数の医書出版社に成長した。築き上げた基盤を守り，かつ将来の医療・医学出版を見据えた次世代への道を開拓し，同時に事業内容の公共性に鑑み，利益の一部を医学界と社会に還元することを今後の課題と判断した。創業者の金原一郎は生前より基礎医学医療研究の重要性を強く認識。基礎医学系の若手研究者の研究費を幾ばくかでも補填することで人材育成することが念願であった。一郎の遺志を汲んで検討を重ね，当時副社長であった金原優は，主管官庁の厚生省（当時）の指導下で設立概要を以下のように決めた。金原一郎の逝去から8年目の1986年12月2日のことであった。　名称は『金原一郎記念医学医療振興財団』とし，設立趣旨を以下のように定めた。「基礎医学を支える若い研究者を対象に助成金の交付を行うことで基礎医学研究を奨励し，日本の研究および研究者のレベルを高め，ひいては学金原一郎記念医学医療振興財団設立記念祝賀会で挨拶する同財団初代理事長の内薗耕二先生The late Dr. Koji Uchizono, then Emeritus Professor of Tokyo Univer-sity, greeting the participants at the cere mony commemorating the es-tablishment of The Ichiro Kanehara Foundation.財団法人金原一郎記念医学医療振興財団設立70 years of igaku-shoin130