医学書院の70年
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1984.06.01『内科レジデントマニュアル』発行Publication ofManual of Medical Therapeutics2014年5月末現在,刊行されているレジデント・マニュアルシリーズは20有余冊を数えるに至り,今なお,新たな領域においていくつかのタイトルが企画進行中である。シリーズの先駆けとなったのが,1984年6月1日に発行された『内科レジデントマニュアル』。発売と同時に研修医の間で評判となり,今日に至るまで好調な売り上げを続けている。 このマニュアルの原形は,聖路加国際病院内科レジデントの教育を目的として作成されたプリントであり,何度も推敲を重ねて編集され,『内科レジデントマニュアル』として刊行された。編集方針は,医学部卒業後1~2年目の内科研修医が,当直の夜間に必要とされる救急処置を想定し,なるべく自分一人の力で,しかも最低限必要な治療を安全に実施し翌朝を迎えられるように,簡潔な記載でかつ必要十分な情報を提示するというものであった。 当時と現在の卒後臨床研修には,制度面での違いが多くみられるが,今日においても本書に対する研修医の絶大な支持には揺るぎないものがある。時代に合わせた内容・構成の吟味は不可欠ながら,経験の浅い研修医が求める情報に,今昔の本質的な違いはないことが窺われる。 『内科レジデントマニュアル』の刊行以降,1987年に『神経病レジデントマニュアル』,1988年は『呼吸器病レジデントマニュアル』,1990年には『外科レジデントマニュアル』と続き,臨床各科におけるレジデントマニュアルのラインナップが充実。2012年には社を代表する出版物の名称の一つとして「レジデントマニュアル」が商標登録された。70 years of igaku-shoin118

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