医学書院の70年
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1971.01.01日本で最初のSTM会員にSTM(International Association of Scienti c, Technical and Medical Publishers)*は,それまでIPA(International Publishers Association)のなかで取り上げられてきた自然科学系専門書が抱える問題を議論する新たな場として,国籍の枠を超えて世界の自然科学系出版社が結束し,1969年に設立された。 その主な目的は,①STM領域の研究成果を伝達する出版社ならびに著者を支援すること,②電子環境においてSTM情報の伝達・保存・利用にかかわる国際団体ならびに通信企業を支援すること,③上記にかかわる問題についてIPA,各国の出版団体,国際機関・団体などと連携を保つこと,とされている。そして問題解決を図るため世界共通の基盤で話し合い,各国でさまざまな活動を展開している。 STMはSTM情報が電子的に流通する時代において,文献相互利用システムCrossRefの創立や文献固有番号付与システムDOI(Digital Object Identi ers)の創設など,その検索と利用を確保するための方策を積極的に推進し,利便性を高めている。また,科学技術の研究促進という特有の使命を担ったSTM出版物に対し,掲載された図表・文章などの転載利用を促進し,情報の幅広い流通を確保するために転載許諾ガイドライン(STM Permissions Guidelines)を制定。これに賛同する出版社の間で許諾業務の簡便な運用を推進している。 社は設立後まもない1971年1月1日にわが国で初めての会員としてSTMに加盟。これまでに金原元(当時専務),椿孝雄(当時副社長),金原優(当時副社長)の3名が理事に就任している。 わが国におけるSTM出版社の活動の盛り上がりによって1981年11月にはSTM東京マーケッティングセミナーが,1986年11月にはSTM東京セミナーが開催された。また,1996年11月14日,前年に設立されたSTM日本部会の発足を記念する東京セミナーが開催され,社長の金原優が実行委員長を務めた。その際,社と関係の深い理研の伊藤正男先生をゲストに講演をご依頼し,好評を博した。 2014年現在,21か国から120社がSTM会員となっている。70 years of igaku-shoin090

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