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第3316号 2019年4月1日


Medical Library 書評・新刊案内


看護学のための多変量解析入門

中山 和弘 著

《評者》和座 雅浩(各務原リハビリテーション病院副院長・神経内科)

臨床統計学に携わる全ての臨床家にとってのバイブル

 「統計」と聞くだけで,ささっと後ずさりする病院スタッフの閾値を下げるために,何か良い教材がないかと探していた時に,本書と巡り会った。臨床においてデータ解析を行う意義や面白さは,経験がないとイメージしづらいものであるが,本書は看護研究を例に,わかりやすい図を提示しながら展開している。読者の理解を深めるための「見える化」が,至れり尽くせりのレベルで随所にちりばめられ,臨床統計学を世に広めたいとの著者の熱意を感じる。

 私自身の経験であるが,どの統計解析アプリケーションを扱うにも,わかりやすくイメージしながら進めていくことは必要不可欠であり,そうでないとデータを解析するやりがいや面白みを感じないし,たいていは長続きしない。特に統計学のようなとっつきにくい学問を学び実践していくプロセスにおいては,「見える化」が大切であることをあらためて知った。

 第1,2章では,統計学を理解して正しい解析を行う上で必須の基礎事項と用語が,過不足なく網羅されており,時間がある読者はここから熟読されることをお勧めしたい。

 第3,4章は本書のメインパートであるが,「多変量解析の基本は重回帰分析」の節タイトル通り,重回帰分析を基礎からしっかりと学び,正しく扱えるようになることが,さまざまな多変量解析の理解を深める早道であることが力説されていて,序文の「重回帰分析は,ダイナミックで奥深いものである」の真の意味がよく理解できる。

 私自身,重回帰分析をそれなりに理解したつもりで頻用していたが,実は不十分であることに,大いに反省させられた。個人的には,説明変数の一つとして抑制変数の重要性,ステップワイズ法の結果をそのままうのみにしてはならない理由,また交互作用について,理解を深めることができた。臨床研究においては常に問題となる欠損値の扱い方についても,イメージをしやすい事例でわかりやすくまとめられていて非常に参考になった。欠損値は,モヤモヤしている方も多いと思うので,その理解にはこの書をお薦めしたい。

 重回帰分析,ロジスティック回帰分析,Cox比例ハザード分析などの頻用される多変量解析の利用経験はあるも,そのモデルが本当に正しいかの判断に苦慮している臨床家は多いのが実状であろう。本書をじっくり読みながら進めることで,こうした多変量解析モデルの精度・妥当性の検証を正確に行うことができ,自信を持って結果を提示できるようになると思う。また著者の豊富な教育経験に基づき,解析結果の解釈で特に初心者が陥りやすいピットフォールも詳細に説明されており,大学院生とのやりとりを文章化したQ&Aは,学ぶ側と教える側双方にとって非常に参考になる。

 先日,当院のリハビリテーション臨床研究を,ある米国ジャーナルに採用してもらうことができた1)。メインとなった多変量解析およびモデルの検証には,本書を大いに活用させていただいた。当初は統計学の面白さを院内に広めるために手に取った本書であったが,何より私自身が多変量解析をより深く勉強することができた。より高度な多変量解析が必要になった時も,本書を活用させていただきたいと思う。

 本書の内容を,最初から全て理解するには相当なレベルを求められると思われるが,常に本書を手元に置き,自身がこれから行いたい研究と照らし合わせることで,研究の幅が広がり,何段階も質の高い統計解析が正しくできるはずである。看護師のみならず,臨床研究・医療統計学に携わる医師や他の職種にとっても実践的な臨床統計のバイブルになると確信している。特に臨床統計に興味がありながらも,良き指導者や教育機会に恵まれず,そのチャンスを逸してきた方にはぜひとも一読をお勧めしたい。

参考文献
1)J Am Med Dir Assoc. 2018[PMID:30528795]

B5・頁328 定価:本体4,200円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03427-2


在宅医療カレッジ
地域共生社会を支える多職種の学び21講

佐々木 淳 編

《評者》辻 哲夫(東大高齢社会総合研究機構特任教授・ケア政策学)

「治し支える医療」を築きあげる現代の物語

 本書は,医療法人社団悠翔会理事長の佐々木淳医師が主催して行われている研修会「在宅医療カレッジ」のこれまでの講義のエッセンスを「地域共生社会を支える多職種の学び」との副題でまとめたものである。報道キャスター,記者として各方面で活躍し,自らの両親の介護に向き合った経験を持つ町亞聖さんを学長に迎えたことからわかるように,利用者(当事者)本位を基本理念において,最前線で活躍中の多彩な教授陣からのオリジナリティのある実践に裏打ちされた濃い内容の講義がコンパクトにまとめられており,あっという間に読了した。

 第I部「認知症ケアの学び」,第II部「高齢者ケアの学び」,第III部「地域共生社会の学び」の3部構成で21の講義が編集されている。それぞれを丁寧に紹介できないのが残念だが,ここでは各講義の語りから印象的なフレーズを引用し,順次つなぐ形で内容をお伝えしたい。

 第I部では,「認知症は『おしまい』か」「介護職は認知症のお年寄りがご近所の公園の掃除をするのを支援するというように地域のデザイナーとして働くことができるのではないか」「介護する本人が楽しいからやり続ける」「『快』の時間を増やす」「一番の特効薬は楽しく笑い合うこと」「おまえが忘れても,俺たちが覚えているから」といった流れで,認知症ケアの取り組みの最前線像が伝わってくる。

 第II部では,「薬は,できれば1日1回(だけということ)をお勧めする」「リハビリは,五体満足に近づくことではない,人生の成功者になること」「嚥下障害の人でもその人が本当に食べたいものだとむせなかった」「リハビリテーション栄養とは何か」「最期まで口から食べられる街をめざす」といった流れで,最前線の各専門職の気概が生き生きと描かれている。

 第III部では,「スピリチュアルケアの1つは,自分の外の大きなものとの出会いの支援」「独居の方を自宅で看取るには3つの条件がある」「病院がなくても幸せに暮らせる」「ケア者の本当の力とは,たとえ力になれなくても逃げないで最期まで支える力」「人生で自分が生きられる期間を切られてしまったとき(思うことは),仲間との夢を実現する(しようとする)ことが,自分が生きている現実に最期まできちんと向き合うということではないかということ」という流れで,共生社会の本質に迫る話がさまざまな視点から展開されている。そして,カレッジの授業が続けられている最中に,看板教授と言ってよい二人の医師(西村元一,村上智彦両氏)が60歳を間近に控えて立て続けにがんで亡くなるという大変悲しいことが起こった。そこで,今回書籍化された内容の締めくくりのような形で,その親しい友人たちによる講義が行われ,「つないでいってほしい」「公として機能していってほしい」という二人の重い遺言が伝えられている。

 今,国の政策は超高齢社会を展望し「治し支える医療」への大転換をめざしている。本書は,まさに「病気を治す」という医療の定義に「支える」という言葉が加えられた意味を追求し,それを築きあげるという壮大な取り組みが始まっていることを雄弁に語る物語でもある。専門職にとどまらず,多くの人にそのことを味わいながら読んでいただけることを願っている。

A5・頁264 定価:本体2,000円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03823-2


認知症の心理アセスメント はじめの一歩

黒川 由紀子,扇澤 史子 編

《評者》上田 諭(東京医療学院大教授・精神医学)

敬意と共感こそが,アセスメントの「はじめの一歩」

 人を診る医療従事者に欠かせない2つの素養がある。ロゴス(理論,言語)とパトス(感情,共感)である。両方を持ってこそ,人に対する真の医療になるはずだ。専門的な理屈ばかりが先行し,思いやりに欠ければ,医療で人を癒やすどころか人を傷つけることになりかねない。残念なことに,現在の医療界は理論・技術(ロゴス)優先が目につき,人の心情や思い(パトス)は二の次にされがちである。認知症の心理アセスメントを解説する本書の基本には,その場面で特に忘れてはならないパトスの大切さがある。

 認知症を心配する人で,自ら進んで医療機関に来る人は少ない。周囲に言われてしぶしぶ来る人も多い。その点,他の疾患と大きく異なることをわきまえておかなくてはいけない。病を前に不安と緊張におののいている人に,どう接し,どうアセスメントをし,どう伝えるのか。正確な心理学的知見や理論(ロゴス)に基づく評価だけでいいはずがない。心理職の共感力(パトス)が強く問われている。評価のやり方次第では,本人の不安をさらに増幅し,いっそう生活しづらくさせかねない。まさに,本書で強調する通り,「アセスメントは治療の入り口」である。治療はもう始まっているのである。

 本書では,アセスメントを支える医学的知見や心理学的評価法が,類書をしのぐ丁寧な表現と豊富なイラストで書かれ,重要なロゴスをわかりやすく学ぶことができる。その上で,どう伝えるか,どう多職種チームで共有し患者にフィードバックするか,というパトス的側面にもページが多く割かれている。特に,編著者・扇澤史子のコラム「検査を受けた本人の気持ち」(p.36)は,医療者が見失いやすいパトスを優しく語り,胸に迫る。認知症にかかわる全ての心理職に,この感受性こそ持ってほしい。旧来の「医学モデル」(ロゴス)に従って診断・投薬にばかり走りがちなわれわれ医師も,もちろん同様である。

 認知症の心理アセスメントにはおのずと,本人にとってつらい「マイナスの評価」をされる,という側面がついてまわる。それを支えるのは,医療従事者や家族を含めた周囲の人々の態度であり見方である。心理職や医療者がまず持たなくてはいけないのは,本書にもしばしば出てくる「人生の大先輩に対する敬意」であろう。病的な面や病気ばかりを見るのではなく,その人の人生を考えて接する。これまで社会に貢献し,家族を長く支えてきたその人の人生を思い起こせば,敬意を払わずにいられない。認知機能の低下が予測されたとしても,「いまのあなたでいい」「認知症でもそのままでいい」と,その人生と現在を肯定して接することを旨としたい。それがまさに本書がタイトルに掲げる「はじめの一歩」でもあるはずだ。

B5・頁184 定価:本体2,800円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03262-9


検査値を読むトレーニング
ルーチン検査でここまでわかる

本田 孝行 著

《評者》康 東天(九大大学院教授・臨床検査医学)

Logical Thinking RCPCを学びたい人に

 RCPC(Reversed Clinico-pathological Conference)のレジェンド,信州大の本田孝行教授の手になる待望の臨床検査読本である。信州大学方式のRCPC判読は現在の日本の臨床検査領域における王道と言うべき判読法で,毎年ほとんどの臨床検査関連学会の全国大会で本方式によるRCPC症例勉強会が開催されている。

 本書は信州大学方式が基本的な解読病態として挙げている13のテーマに沿って,非常に典型的な39症例を解説している。特徴は,ある一時点の検査結果だけではなく,1週間から場合によっては数か月にわたる経時的な検査結果の変化を詳細に提示していることであり,まさに臨床の現場で経験する状況を再現している。そのような経時的な検査結果の変化を読み解くことでこそ,症例患者の体の中で一体何が起こっていたのかを読者も納得して正確に理解できる。

 本書は判読トレーニングに適した多くの症例を解説しているだけでなく,読み進めると自然と各検査項目の意味と意義が理解できるようにわかりやすい多くの図表が配置されている。その意味で,本書は検査技師や医師のRCPCトレーニングとして優れているだけでなく,臨床検査を学ぶ学部学生にとっても,具体例をベースにしつつ,各検査項目のバックグラウンドやメカニズムを詳しく学べる最適の教科書となっている。特に個々の検査項目の検査値の経時的変化を論理的に考えた上で,各検査値を統合的にとらえたい,と考えている人にぜひ薦めたい。

 著者の本田教授がこの十数年にわたって信州大学方式を推進してきたことは,この領域で誰もがチャレンジしてこなかったまさに臨床検査診断学の標準化であることを最後に強調したい。読了してみると気付かないうちにLogical Thinking RCPCが身につくよう工夫されている。本著作は多くの読者にそのことを実感させるものであると信じている。

B5・頁352 定価:本体4,500円+税 医学書院
ISBN978-4-260-02476-1


統計解析なんかこわくない
データ整理から学会発表まで 第2版

田久 浩志 著

《評者》濱岸 利夫(中部学院大准教授・理学療法学)

楽しみながら統計を学び,研究に取り組むための一冊

 年明け早々,“統計”というキーワードが,新聞やテレビなどで連日取り上げられている。国会の委員会でも議論されている。

 今年は“統計”についてしっかり学ばなければならない1年になりそうな予感がする。折しも,平成という時代が終わり,新しい元号が始まる。時代が大きく変化する1年でもある。これからを生き抜くためには,私たちは“統計”について熟知していなければならないのかもしれない。

 ちまたで議論されている“統計”とは違うが,時勢の流れに合わせたかのように新しい統計に関する一冊が出版された。

 著者の田久浩志氏は,病院医療管理学,救急医学,医療統計学などがご専門である。初版は,すでに2004年に出版されており,当初から医療従事者や医療系学生を対象にしており,今回もよく使う統計解析の手法や考え方に的を絞った実践的な参考書となっている。

 「少しでも統計を苦手とする医療従事者を減らし,より多くの方に統計解析,そして,学会・論文発表を行っていただきたいと考え,今回,内容についてよりわかりやすく,より身近な例題とする改訂を行いました」とまえがきにもある。

 日々,時間に追われるように勤務する医療従事者や医療系学生を念頭に置いてデータ収集のポイント,集めたデータをExcelへ効率的に入力する方法などを実際の画面を示しながら丁寧に解説してある。また,今回からはカラー刷りになっており,店頭で見かけたらぜひとも手に取ってもらいたい。格段に読みやすい。

 構成は第1章から第3章と付録(Q&Aと付表)から成っている。まず,第1章は,データを準備しながら,入力,集計する。そして,Excelが持つ「ピボットテーブル」などを駆使してクロス集計表やグラフを作成する。

 これだけでも,「地道にコツコツ」と「瞬間的なパソコン操作」の緩急を取り混ぜながら構成されており,読者を飽きさせない工夫がなされている。

 そして,第2章からは時間に余裕がある場合,必ず横に電卓とパソコンを置いて読み進めていくことをお薦めしたい。一方で,時間的に厳しい場合には,第2章にある平均,標準偏差を電卓で計算するページだけでも丁寧に読んでいただきたい。そうすれば,「次も取り組んでみるか」と思い,最後まで読み進めていくことができるだろう。

 さらに,第3章にある検定手法も電卓とパソコンを置いて丁寧に読み進めていくことをお薦めする。一つひとつ,丁寧に取り組まなければならない箇所もあり,少し辛抱強く向き合う必要もあるだろう。けれども,医療従事者や医療系学生は日頃からガマンに慣れているから大丈夫だと信じる。

 最後に,著者からの“統計”を通して研究に取り組む際のノウハウも随所に書かれている。1つは,イヤイヤ取り組むのではなく,「できるだけ楽しみながら」取り組むこと。また,「データの解析の前には必ずグラフで得られたデータの概要を把握し,『だからこうなのだ』と言える内容を検討する」と指摘されている。

 医療従事者や医療系学生が,楽しみながら研究・臨床活動に取り組むための一冊であることは間違いない。

B5・頁224 定価:本体2,400円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03800-3


症例で学ぶ脳卒中のリハ戦略[Web動画付]

吉尾 雅春 編

《評者》原 寛美(東京リハビリテーションセンター世田谷)

脳卒中発症前と異なる生活設計をいかに援助できるか

 脳卒中のリハビリテーション(以下,リハ)に携わっていて,日々感じていることがある。それは脳卒中患者さんの障害像はすべからく異なっており,定型化されたパターンで予後を論じることは困難であるという点である。さらに,進化してきているリハ医療・医学の知見と方法論を導入することで,障害像への新しい援助の介入が可能となってきている点である。

 本書籍の編集者の吉尾雅春氏(千里リハビリテーション病院・副院長)は,理学療法士として長らく臨床における実績を積んだ後に,札幌医大解剖学第二講座に在籍して神経系を含めた解剖学的知見を修得し,キャリアアップをされている。本書においてはその経験がいかんなく発揮されており,現在の千里リハビリテーション病院において指導している後進の手で執筆されている。

 二部構成であり,前半は「脳のシステムを学ぶ」と題して,神経機能解剖と臨床症状の解説編である。後半は「症例」編であり,脳画像から障害像を考えて分析するプロセスと,生活期までを俯瞰して援助を継続したリハの軌跡が詳述されている。

 「脳のシステムを学ぶ」では,基本となる解剖学的知見と機能局在のみならず,脳卒中リハでは必須となる脳内神経ネットワークにも丁寧な記述が網羅されている。それらの病変によって生じる脳卒中例の臨床症状と関連付けた解説がされていることが特徴である。大脳皮質と皮質下核,小脳,脳幹における,入力系と出力系と血管支配,臨床症状について,詳しく分析されていて,他の著書では得ることができない新しい知見を学ぶことができる。そしてカラーで明瞭に図示された脳内の局在とネットワークがわかりやすい。

 「症例」編では,全例で脳画像の分析の進め方とその障害像のプロブレム・リストの記述がされている。それらに依拠したリハの目標設定と,実際のリハの経過が,回復期リハの期間だけではなく,退院後の生活まで含めて詳細に記述されている。さらにQOLのレベルまで言及した分析がされている。回復期リハ病棟を退院後に,訪問リハなどを継続して生活のフォローがなされ,初期の目標設定とリハのアプローチが的確であったのかフィードバックがされている。脳卒中リハ医療とは,一人の患者さんの発症前とは異なる生活設計をいかに援助できるかという原点を喚起させてくれる読み応えある内容となっている。回復経過を評価尺度の数値でもって論じていることが多い日常であるが,本書においては数値だけにとどまらない著述的な描写が徹底されている。若いリハスタッフがそうした視点で仕事をしていることに驚くとともに,評価尺度にとどまらない観察を教示する内容に衝撃を受けることができた。

 本書が,脳画像を読み解く教科書であるとともに,脳卒中リハ医療の本質を学ぶテキストとして活用されることを望みたい。

B5・頁224 定価:本体4,000円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03683-2


消化管吻合法バイブル[Web動画付]

北島 政樹 監修
宮澤 光男,竹内 裕也 編

《評者》坂井 義治(京大教授・消化管外科学)

共に「縫合不全ゼロ」をめざそう

 「縫合不全」――外科医なら誰もが経験し,眠れない夜を過ごす術後合併症である。縫合不全の原因は何か? これまでも,そして今も研究が続いている。

 北島政樹先生による「監修の序」を読むと,吻合と創傷治癒に関する研究の原点と器械吻合の創生を再認識することができる。内視鏡手術が普及している現在,手縫い吻合の機会は激減しているものの,その基本手技と理論の理解は必須であろう。また,進化する吻合機器の原理と基本的使用法の理解なしには,安全確実な吻合は不可能である。

 本書の総論では,これらの基本知識をたくさんの図表から容易に学習することができる。さらに各論では,各領域の第一人者により,現在行われている消化管吻合のほぼ全ての手技のコツとピットフォールが簡潔に解説され,しかもQRコードからアクセスする付録Web動画により吻合の実際を映像でも学習できる。

 比類なき教科書であり,まさに“消化管吻合法のバイブル”といえる。外科専攻医ばかりでなく専門医,指導医にもこのバイブルを手にしていただき,共に「縫合不全ゼロ」をめざしたいと思う。

B5・頁248 定価:本体12,000円+税 医学書院
ISBN978-4-260-03654-2

関連書
    関連書はありません