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第3182号 2016年7月11日


【特集】

新専門医制度でジェネラリストをめざすには
内科と総合診療,どちらを選ぶ?


 新専門医制度においては,内科専門医と総合診療専門医は共に基本領域専門医として位置付けられる。そして複数の基本領域専門医の研修を同時に行うことは認められない(本紙第3178号参照)。内科・総合診療のジェネラリストをめざすならば,いずれかの領域を選択することになるが,研修医としては両者の違いがイメージしにくいようだ。本紙では,従来から大きく変わる内科専門医制度,新設の総合診療専門医制度の概要を解説する(2面に関連インタビュー)。


新設の総合診療専門医,変革の内科専門医

 総合診療専門医は,新専門医制度の創設に当たり新設された基本領域専門医だ。厚労省「専門医の在り方に関する検討会報告書」(2013年4月)では,中立的な第三者機関(現在の日本専門医機構)の設立とともに,総合診療専門医の育成が提言されており,新専門医制度の“目玉”とも言われる。

 関連学会・団体での“オールジャパン”での構築をめざした経緯から,他の基本領域とは異なり,専門医機構が主体となりプログラム整備基準の作成や申請受付が行われている。到達目標として示された6つのコアコンピテンシー(人間中心の医療・ケア,包括的統合アプローチ,連携重視のマネジメント,地域志向アプローチ,公益に資する職業規範,診療の場の多様性)に沿って研修を行うのも特徴的だ。

 一方で,現行の基本領域のうち最も大きく変わるのは内科専門医制度だろう()。従来は認定内科医取得(卒後3年目)後に総合内科専門医または内科サブスペシャルティ領域専門医を取得できたのが,新制度では内科専門医取得(卒後5年目)後でなければ内科サブスペシャルティ領域専門医を取得できない。

 現行制度と新・内科専門医制度との相違・移行関係(日本内科学会Webサイトより)

症例数か診療の場か,入院診療か外来診療か

 内科専門医と総合診療専門医の特徴的な点をにまとめた。共に3年間の研修期間のうち,総合診療では6か月間の内科研修が義務付けられている。

 新専門医制度における内科専門医と総合診療専門医

 経験症例は重複も多いはずだが,修了要件は対照的だ。内科は疾患の経験数に関して明確なハードルを設ける一方で,診療の場に関して厳密な規定はない。総合診療は一律に症例数を問うことはないが,ローテート研修が必須となる。また,内科は専攻医2年目から外来診療が必須になったとは言え,修了判定において主に問われるのは入院診療の実績だ。総合診療は外来診療を重視し,診療場面の撮影と指導医によるフィードバックが求められる。

 基本領域とサブスペシャルティ領域の関連付けは現段階では未定だ。ただ,内科に関しては既存の内科サブスペシャルティ領域は確実であるほか,新たな専門領域追加の検討も始まっている。総合診療に関してはサブスペシャルティ領域への道は開かれる予定であり,関連学会間の交流の深い緩和医療や在宅医療が候補に上がる。

 また,以下の点についても公式見解は出ていないので,進路選択の際は注意が必要である。

*内科専門医と総合診療専門医のダブルボードを取得する際,6か月間(総合診療における内科研修期間)の研修は免除されるのか?
*総合診療専門医取得後に内科サブスペシャルティ領域に進む道は? 内科専門医の取得が条件か?

 以上,本稿執筆の6月末時点での情報をもとに解説した。新制度の開始時期など事態は流動的であるが,「プログラム制への移行」「総合診療専門医の創設」など大局的な方向性は定まっている。内科学会など複数の学会が早期決着を求める声明を出しており,7月中には開始時期や募集方法についての決定が下されるはずだ。専門医機構および各学会のWebサイトを随時確認のこと。