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第3031号 2013年6月17日


ACP日本支部総会2013開催


福原俊一会長
 米国内科学会(American College of Physicians;ACP)日本支部総会が5月25-26日,福原俊一会長(京大・福島県立医大)のもと,京都大学百周年時計台記念館(京都市)にて開催された。本会は実践的な内容の教育プログラムが企画されており,聴講者同士で議論する時間を取り入れたり,会場の聴講者の発言を促したりと,参加型のワークショップも多数実施された。本紙では,膠原病診療と精神疾患診療をテーマにした2つのワークショップのもようを報告する。

膠原病診療のコツを共有

 ワークショップ「総合内科医が知っておくべき膠原病診療のピットフォール――身体診察から鑑別診断まで」(ファシリテーター=聖路加国際病院・岸本暢将氏,帝京大・萩野昇氏)では,さまざまな症状を示す膠原病患者への身体診察のコツ,膠原病診療の診断過程が共有された。まず,高杉潔氏(道後温泉病院)が,関節炎が疑われる患者に対する頸椎,肩,肘,膝など各関節の触診のポイントを解説。「局所解剖を理解した上で,自らの手指で確認することが重要」と述べる氏は,関節所見を取る能力を向上させる秘訣として,(1)いつも関節に触れ続ける姿勢を持つこと,(2)膨張の有無に疑問がある場合は,正常と思われる部分と対比すること,(3)筋骨格系,神経系に関する標本・テキストを身近に置くことの3つを挙げた。続いて,岸田氏と荻野氏が実際に判断に迷った症例を提示。リウマチ性多発筋痛症(PMR)と思われた結核性動脈瘤症例や,特徴的な身体所見・検査所見が見られなかったPMR症例などについて,最新の知見を交えながら診断に至るまでの過程を振り返った。

内科医ができる,精神疾患診療の方法をレクチャー

 ワークショップ「PIPC(Psychiatry In Primary Care)セミナー・入門コース」(ファシリテーター=みよし市民病院・木村勝智氏,信愛クリニック・井出広幸氏,宮崎医院・宮崎仁氏)では,内科診療の現場において患者の精神疾患を抽出し,適切な診療を提供するための術が解説された。同ワークショップの内容は,本家ACPでも実施されている教育プログラム「PIPC」を基にしたものだ。井出氏,木村氏が登壇し,PIPCの中核を成す,患者の生活背景や個別の問題を短時間で聴取するための問診のフォーマットや,DSM-IVを基にプライマリ・ケア医が出合う頻度の高い疾患に焦点を絞って疾患群を分類・整理した「MAPSO」システムを紹介。また抗うつ薬の使い分けや,精神科専門医へ紹介する際の留意点など,精神疾患診療の実践的な知識についても説明がなされた。