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第3027号 2013年5月20日


座談会
当事者とともに挑む
新時代の統合失調症

村井 俊哉氏
京都大学大学院教授・精神医学
糸川 昌成氏
東京都医学総合研究所 統合失調症・うつ病プロジェクト プロジェクトリーダー
福田 正人氏
群馬大学大学院准教授・神経精神医学 =司会
笠井 清登氏
東京大学大学院教授・精神医学


 精神科の入院患者のうち3分の2を占める統合失調症。脳画像検査の進歩や新たな視点に基づく研究の進展によって,病因や病態の理解が少しずつ深まってきている。また,最近では当事者による積極的な情報発信が盛んになり,医療者と患者さんやご家族が協働する取り組みが増え始めている。本紙では,『統合失調症』(医学書院)の編集を務めた4氏に,新たな展開をみせる統合失調症について,研究,診療,教育の観点から議論していただいた。


福田 近年,精神科診療における統合失調症の位置付けが少しずつ変化しているように思います。患者さんの数が多いのは依然として変わりませんが,医療・福祉・保健が組み合わされた充実したサービスを地域で受けると十分な回復が得られやすいことが明らかになり,良い意味で統合失調症が特別扱いされなくなってきました。その結果,統合失調症をより広い視野から理解できるようになってきたと思います。本座談会では,統合失調症理解の最新動向と,当事者と一緒に取り組む治療や研究の新しい在り方について,お話しいただきたいと思います。

自我や価値観が形作られる思春期の重要性

笠井 統合失調症に対する見方が以前と変化しているのは私も同じで,最近は発達心理学的な視点から疾患をとらえています。

福田 何かきっかけがあったのでしょうか。

笠井 10代の精神科患者さんを多く診るようになったことですね。

 米国のデータでは精神疾患の患者さんのうち半数が14歳までに,4分の3が24歳までに発症すると言われています。統合失調症も,患者さんの多くが思春期に発症することから,自我や価値の形成過程に対する脳科学・発達心理学的な解明と,それらが不調になって起こる統合失調症の病態理解が重要ではないかと認識するようになりました。

 人間は,10歳ぐらいまでの小児期に,親との関係を通して基本的な情動や報酬系の機能を形成します。その後,対人関係の比重が親から友人へと移行するなかで,社会関係に適応した自我形成や,「自分がどう生きていきたいのか」という価値形成をし始め,20歳ごろまでに確立させます。脳の前頭前野が担うこれらの高度な精神機能を形成する重要な時期が,思春期なのです。

福田 これまでの精神医学教育では,発達心理学的な視点が取り上げられることは少なかったですね。

笠井 従来は,精神病理学によって精緻に体系化された精神疾患の症候を横断的にとらえていたため,発達という縦断的な視点を持ちにくかったのでしょう。私自身も,そのように教育を受けてきたように思います。しかしこれからは思春期の脳科学と発達精神病理学が双方向的に進むことが期待されており,私もそのような新しい学術領域の確立をめざしているところです1)

社会性を解明する脳画像

村井 統合失調症を対人関係など社会性の観点からとらえて研究する重要性は,近年私も強く認識しています。私たちが社会生活を送る上で重要な認知機能のことを“社会認知”と呼ぶのですが,この社会認知や社会コミュニケーションをターゲットにした神経科学の進歩によって統合失調症の神経基盤が解明されれば,病因や病態への理解が進み,心理社会的な支援も新たな視点から提示できるかもしれません。

福田 統合失調症の患者さんの社会性について,先生のご専門である脳画像研究では,どのようなことが明らかになっているのでしょうか。

村井 画像検査の進歩によって多くの研究が行われ,例えば統合失調症の患者さんには,対人社会生活に重要とされる脳領域の機能や構造に,健康な人では見られない特徴があることが徐々にわかってきています。

 人の意識や複雑な感情の基盤となる神経活動を目に見える形で示すことを可能にしたのがfMRI(機能的MRI)という技術です。神経科学の世界に大きなインパクトを与えたこの画像検査の登場によって,人間の感情や意識がどの脳部位の機能と対応しているかなど多くの知見が得られ,続く研究では,統合失調症の方の脳活動に見られる特徴が調べられました。例えば,特定の認知・感情課題を施行する際に,統合失調症の方と健康対照群では前頭葉のいくつかの特異的な領域の活動に違いがあることが報告されています。

福田 一方,脳の形態学的なアプローチを用いた研究も進んだそうですね。

村井 ええ。構造MRIを用いた研究では,統合失調症の方の脳構造の特徴を明らかにすることで,病気の原因そのものについての知見が得られるとの期待が高まっています。私の研究でも,統合失調症の方は,視床と前頭葉をつなぐ特定の神経線維の結合が健康な人よりも弱く,この弱まりが直接結合している大脳皮質の厚みの減少と強く関連していることが明らかになりました。

笠井 こうした脳の機能や構造と,患者さんの自我形成や対人関係との関連を検討した研究が始められたのは最近のことです。なかでも,患者さんの主観的な生活の質(QOL)に着目した村井先生の研究は大変興味深いですね。

村井 患者さんの具体的な日常生活レベルを表す指標こそが,脳の本質的な機能と深い関連を持つのではないかと考えて画像解析を行った結果,統合失調症の方の主観的なQOLの低下は,右背外側前頭前皮質などいくつかの脳領域の体積減少と関連していることが明らかになりました。QOLのような主観的で全般的な指標は,あいまいなところが多いと思われがちで,これまで脳画像研究でも注目されてこなかったと思います。しかし,統合失調症の患者さんの観点に立てば,個別の症状の重症度よりも生活レベルのほうがずっと重要なことですから,もっと研究者が注目していくべき指標ではないでしょうか。

笠井 今後は,統合失調症という疾患と患者さんの価値観との関連を検討する研究が,よりいっそう注目されそうですね。

丁寧な臨床から出発した研究が,治療・予防へと発展

福田 病因や病態を解明するもう一つの研究として,統合失調症の素因としての脆弱性を検討する遺伝子研究があります。

糸川 統合失調症は遺伝子変化による脆弱性と環境要因が影響し合う疾患であるため,原因解明には遺伝学的アプローチが有望と考えられてきました。しかし,それだけで統合失調症のすべてを説明できるような特定の遺伝子変化は,いまだ発見されていません。アルツハイマー病で解明が進んだような脳の組織学的特徴も発見されていませんし,経過も人によってまちまちです。また,過去の研究では表出される精神症状を遺伝子の表現型として扱ってきましたが,精神症状の背景に1対1で対応するメンデル型遺伝形式のような単一遺伝子が存在する可能性はかなり低いだろうと,現在では考えられています。

福田 脆弱性の基盤となりうる遺伝子変化の発見は,多くの研究者がめざしてきたことです。これまでにはどのような研究が行われてきたのでしょう。

糸川 精神疾患の原因となる個別の遺伝子変化を探す研究が盛んになったのは1990年代で,1989年にドパミンD2受容体がクローニングされたことがきっかけでした。神経内科でも同様の研究が盛り上がり,次々に疾患の鍵となる遺伝子が特定されて病態の解明が進んだ一方,精神科ではほとんどうまくいきませんでした。その結果2000年に入ると,今度は個別の遺伝子ではなく,ゲノムワイドに網羅的に検討しようという風潮が主に欧米で広がり,被験者の数も千から万へと規模が大きくなっていきました。こうした研究手法は,臨床と両立して研究を行う私たちには取り組みにくいスタイルでした。

福田 欧米型のビッグサイエンスに対して,先生は臨床に根ざした研究を発展させたとお聞きしています。

糸川 私は臨床診療で出会ったある患者さんがきっかけで,まれに起こる遺伝子変化に注目した研究を進めてきました。統合失調症はさまざまな病態を有する症候群なので,すべての統合失調症の共通病因となる単一遺伝子を探し求めるよりも,ある病態に強く関与するまれな遺伝子変化を予測し,特定するほうが有効かもしれないと思ったのです。こうして研究を進めた結果,ある被験者の方からGLO1遺伝子でフレームシフトをもたらす新規の変化を同定し,GLO1活性の低下も伴っていることを見いだしました。

 フレームシフトをもたらすまれな遺伝子変化を持っていた方は,血中のAGEs(終末糖化産物)濃度が健康な人の3.7倍も高いカルボニルストレス状態にありました。さらにそのAGEsを解毒するために大量のビタミンB6が消費され,健康な人の20%以下まで減っていることがわかったのです。

笠井 糸川先生の研究の素晴らしい点は,特定の多発家系にみられた遺伝子変化を一般症例に敷衍ふえんし,予防的な治療法の目処を立てた点でしょう。

糸川 同じ傾向が統合失調症の患者さんでみられるか検証したところ,健康な人よりも血中AGEs濃度が有意に高く,ビタミンB6が低下していることがわかりました。また,AGEs濃度が高い患者さんほど陰性症状が重篤であることや,同一の患者さんでも退院時よりも入院中のほうが,血中AGEs濃度が高い値で見られました。これらの研究結果を受けて,カルボニル消去作用を持つビタミンB6の一種ピリドキサミン(未承認薬)の臨床試験を現在実施中です。有効性が確立されれば,ピリドキサミンを発症前から予防的に飲むことで発症回避の治療法となる可能性も視野に入れて研究を進めています。

福田 丁寧な臨床診療から出発したことで病因に迫ることができた研究事例ですね。統合失調症のように,単一の病因遺伝子にはよらないと考えられる疾患では,今後このような臨床を大切にする研究手法が新しい見方を提供できるのではないでしょうか。

生活上の負担や影響に注目して

福田 昨年『Lancet』誌に掲載された「Global Burden of Disease」に関する論文2)では,「身体疾患を含むすべての疾患のなかで,生活上の負担や影響がもっとも大きいのは急性期の統合失調症である」ことが示されました。これは,疾患の重要性を,致命的かどうかだけでなく,疾患から生じる負担も含めて数値化したもので,学問的にも社会的にも重要な研究だと思います。

 これまで精神科の専門家は,統合失調症を精神疾患の中だけでとらえることが多く,他の身体疾患と比較する機会や発想が少なかったのですが,この研究結果を見て生活への影響に目を向ける重要性にあらためて気付かされました。生活という概念は,定義が不明確で学問の対象になりにくい印象がありますが,統合失調症を生活という観点から見つめ直すことで,疾患の本質に迫るとともに実際の診療に役立つ研究を考えていけるのではないでしょうか。

笠井 最近福田先生が取り組まれている生活場面における脳機能計測の研究は,まさに患者さんの生活に根ざした研究ですね。

福田 より本質的な意味を持つ脳画像研究を行うためには,患者さんの生活場面を反映した状態の脳機能を検討すべきではないかと考えました。fMRIのような脳機能画像では,技術的な制約から仰臥位の静止した状態でしか検査を行うことができず,日常生活の中で活動している状況とは隔たっていることが予想されます。そこで近赤外線スペクトロスコピー(NIRS:near-infrared spectroscopy)という技術を用いて,他人との会話中など自然な状態の脳機能が測定できれば,精神疾患の患者さんが持つ生活障害への理解をより深められるのではと期待し,研究を進めています。

笠井 「患者さんが研究に求めるアウトカムは自身のニーズや価値に基づいた生活を取り戻すことだ」という認識も,近年広まりつつあります。

糸川 遺伝子などの物質を研究対象としている立場からは,患者さんやご家族の生活に直接役立つ結果を提示するのは簡単ではありませんが,最終的には患者さんのアウトカムを良くするために研究するという意識は忘れずにいたいですね。

村井 患者さんやご家族に研究内容を伝える努力も,怠ってはいけませんね。残念なことに,統合失調症を含めた代表的な精神疾患の研究では,いまだに大きなブレイクスルーが発見されていませんが,研究者が日ごろどのような発想で研究に取り組み,どのように還元したいと思っているかは,直接患者さんに伝えることができます。そうした機会に,患者さんたちが一番関心を持っている“生活”に関する研究成果を明確に示しつつ,さらに患者さんのニーズを学び,生活の困難を減らすことを目的とした研究につなげていくことが今後望まれるでしょう。

■当事者主体の治療・研究を実現するために

福田 私たちは,日ごろの診療を通して統合失調症の生活の困難さを理解しているつもりですが,実際に当事者や家族が体験している困難さとは大きな隔たりがあるかと思います。しかし近年,精神疾患の患者さんやご家族が自らの体験や考えを発信する機会が増えており,本当の意味で「当事者中心の医療」を実現できる手がかりがつかめ始めています。

 例えば,当事者研究で有名な「べてるの家」では,統合失調症の患者さんが幻覚や妄想などの症状を生活の苦労と関連づけて仲間とともに研究し,自分が主体となった解決方法を探る取り組みを続けています(『当事者研究の研究』,医学書院)。『我が家の母はビョーキです』(サンマーク出版)の著者である中村ユキさんは,統合失調症である母親との生活や苦労をマンガの形でわかりやすくまとめていますし,児童精神科医の夏苅郁子さんは統合失調症であった母親の家族としての切実な体験を『心病む母が遺してくれたもの』(日本評論社)として発表しています。

 専門家が統合失調症を症状や病気としてとらえるだけでなく,患者さんやそのご家族といった当事者が生活の苦労を積極的に発信することで,統合失調症を病むということに対する理解がより深まってきています。そこで,今後当事者と専門家がどう力を合わせていけば良いかを考えたいと思います。

村井 当事者の方と一緒にできることとして,学会シンポジウムのテーマ選定や,専門書の構成において核となる部分を決めるといったことなら,比較的すぐに着手できる気がします。場合によっては,医師教育に参画してもらうことも可能かもしれません。

笠井 今回,統合失調症の教科書として『統合失調症』の制作を行い,当事者の役に立つかどうかを念頭に置けたことは,非常に重要な第一歩だったと思っています。例えばわれわれ専門家にとっては自明の言葉に対しても,「当事者や家族の視点・立場になれば,こう言い換えたほうが良い」といった議論ができました。

福田 教科書の最終的な目標は,当事者の診療に役立つことですので,今後は当事者と専門家が対等な立場で参加できるような在り方が求められるでしょうね。

糸川 日常診療においても,専門家と当事者が一緒になってできることがあるのではないでしょうか。私が医師になったばかりのころには,精神疾患の患者さんと医師が今後の治療方針について話し合うなんて考えられないことでした。しかし,他科では医療者と患者さんが一緒に画像検査や血液データを確認しながら今後の相談をする体制が実践されています。精神疾患を持つ患者さんにも,いつかは脳画像等を見ていただきながら病期の進行や予後について説明できる時代が来ればいいなと思っています。

福田 日本語では「治療を受ける」と言いますが,精神科に限らず,多くの医療現場で患者さんが自分の治療に受け身でいるという文化を作ってきてしまいました。専門家は治療を提供する側,患者さんは治療を受ける側という役割分担ではなく,これからは患者さんが主体となって能動的にかかわることができる治療が求められます。精神科診療においても,認知行動療法やSST(生活技能訓練)などの治療法が普及しており,患者さん本人が主体的に治療に取り組むことがもっとも大切なことになるだろうと思います。

村井 専門家と当事者が一緒になって治療に挑んでいくには,どのような考え方が必要になってくるでしょうか。

笠井 2004年に英国の保健省から出された「The Ten Essential Shared Capabilities(精神保健サービスの実践に携わるすべての人に求められる10の基本)」が参考になると思います3)。ここに書かれているのは,患者さんやご家族が望んだ人生・生活を送るために医療者が身につけておくべき考え方です。特に「関係を築き協働できる」という項の説明に,「利害や目標の違いから関係者の間に緊張が生じたときに,その緊張を生かす前向きな取り組みができる」とあります。これは,関係者間に対立が生じても,その対立を自覚してポジティブな方向に活かそうという心構えで,患者さん本人が主体となる臨床を行う上で忘れてはいけない本質だと思います。さまざまな立場の人が,それぞれの強みを持ってかかわることで,当事者が主人公となる支援が実践できるのではないでしょうか。

福田 そうした発想は診療だけでなく研究にも当てはまります。一昨年の『Nature』誌には,“Democratizing clinical research(臨床研究を民主化する)”という文章が掲載されました4)。従来,研究は専門家の手によるもので,どんな研究をするか,どのような手法を用いるかは,研究者だけが決めてきましたが,これからは研究計画の段階から当事者も参画して進めることで,医療の未来を変えられるだろうという提言です。実用的に役立つという意味でも,真理を明らかにするという意味でも,こうした研究が本質的なものになっていくだろうと思います。

福田 今日は統合失調症の現在について,さまざまな視点からお話しいただきました。統合失調症をとらえる枠組みに大きな変化が生じてきていること,そのなかで当事者と専門家が果たすべき役割も変わってきていることが共有できました。この新しい時代にふさわしい診療と研究と教育が発展していくことを期待しています。本日はありがとうございました。

(了)

参考文献
1)文科省新学術領域研究「精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学
2)Salomon JA. et al. Common values in assessing health outcomes from disease and injury: disability weights measurement study for the Global Burden of Disease Study 2010. Lancet. 2012;380 (9859):2129-43.
3)「The Ten Essential Shared Capabilities」[日本語訳「精神保健サービスの実践に携わるすべての人に求められる10の基本」(『精神保健サービス実践ガイド』,日本評論社)]
4)Lloyd K. et al. Democratizing clinical research. Nature. 2011;474 (7351):277-8.


福田正人氏
1983年東大医学部卒。同大精神医学教室を経て,98年より現職。統合失調症をはじめとする精神疾患の神経生理学・脳機能画像研究に従事。主著に,『もう少し知りたい統合失調症の薬と脳』(日本評論社)などがある。「『精神科医療は人間にとって一番重要な医療だという誇りを持って,治療・研究にあたっていただけることを切に願っています』という統合失調症のご家族の言葉を,重く受け止めていきたいと思います」。

糸川昌成氏
1989年埼玉医大卒。筑波大基礎医学系遺伝医学教室,東京医歯大精神神経学教室,東大医学部脳研究施設生化学部門,米国立衛生研究所を経て,99年理化学研究所脳科学総合研究センター研究員。2001年より東京都精神医学総合研究所副参事研究員。11年より現職。主著に『臨床家がなぜ研究をするのか』(星和書店)。「今後も臨床に根差した出発点から研究を発展させ,統合失調症がもたらす生活への負担を軽減させる治療法を開発したいと思います」。

村井俊哉氏
1991年京大医学部卒。京大病院,大阪赤十字病院,北野病院で精神科医として勤務した後,98年京大大学院医学研究科修了。独マックス・プランク認知神経科学研究所,京大病院などを経て,2009年より現職。医学博士。主著に『人の気持ちがわかる脳』(ちくま新書)などがある。「将来の革新的な成果への夢を持ちながら,現在この病気を持つ方々へも還元できる研究を続けていきたいです」。

笠井清登氏
1995年東大医学部卒。東大病院,国立精神・神経センター武蔵病院で研修後, 2000年から米ハーバード大医学部精神科臨床神経科学部門にて客員助手を務める。02年東大病院助手,03年同講師,07年より東大病院精神神経診療科長を兼任,08年より現職。「精神医学を“脳と生活と人生の医学”と定義し,当事者のリカバリーを支援し,自身を専門家として成長させる。存在と人生の意味を与えてくださった当事者の方に“こころの健康社会の実現”で恩返ししたいです」。