医学書院

検索
HOME週刊医学界新聞 > 第3021号 2013年04月01日

第3021号 2013年4月1日


TAVIの早期・安全な導入に向けて
第2回TREND INTERCONFERENCE開催


カンファレンスのもよう
 大動脈弁狭窄症の低侵襲かつ革新的な治療法として,世界的に注目を集めるカテーテル技術を用いた大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation/Replacement;TAVI/TAVR)。このほど国内治験も終了し今まさに揺籃期を迎えるTAVI/TAVRは,SHD(Structural Heart Disease)医療イノベーションの源泉となっている。このようななか,TAVIの早期導入と安全な普及に焦点を絞った第2回TREND INTERCONFERENCE(Transcatheter Endocardiovascular Intervention Conference)が2月2日,第二期会長倉谷徹氏(阪大)のもと約500人の参加者を集めリーガロイヤルホテル(大阪市)にて開催された。

 カンファレンスでは,海外での専門研修を終えた医師陣のほか,国内治験を先導する阪大をはじめとした関連諸施設の関係者が登壇。国内でのTAVI臨床応用に向け,実践的な白熱した討論が行われた。TAVIの低侵襲性をクローズアップするだけでなく,適応や術式,TAVI実施に伴う補助技術や術後管理,さらには合併症についても集中的に議論され,これまで経験された多様な症例をもとに,新たな医療としてのTAVIの在り方に焦点が当てられた。

 基調講演に登壇したHendrik Treede氏(独・ハンブルグ大)は,TAVIの国際的な動向と最新技術を紹介。コメディカルの役割に重点を置いた特別セッションでは,TAVIを行う際は各職種の高い専門性と相互尊重に基づく強固なハートチーム形成が必要であると論じられた。また特別発言として,澤芳樹氏(阪大)より関連諸学会と厚労省が監修したTAVIの実施施設基準案が開示され,TAVIを安全に導入するために必須とされるハートチーム構築の重要性があらためて強調された。

 日本人として唯一,TAVI創始者Alain Cribier氏(仏・ルーアン大病院)のもとで研鑽を積んだ本カンファレンス代表世話人の古田晃氏(川崎市立川崎病院)は,現在の潮流である「医療の低侵襲化」は有害事象の回避に安易には直結しないと指摘。「既存文化の融合による集学的アプローチこそが低侵襲化の鍵となり,心臓医療における新たなスタイルのモデルになる」と語る。“SHD分野台頭”という心臓医療史上に残るパラダイムシフトは,既に始まっていると言える。