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第2947号 2011年10月3日


第1回日本認知症予防学会開催


 人口の高齢化に伴い認知症の患者数が増加の一途をたどり,予防・早期発見への関心が高まる中,「発症や進行の予防」という観点から認知症診療を考える日本認知症予防学会がこのたび発足。その第1回学術集会が9月9-11日,米子コンベンションセンター(米子市)にて浦上克哉会長(鳥取大)のもと開催された。「認知症の予防時代の幕明け」をテーマとした今回は,医療関係者や自治体職員など認知症予防に取り組む多職種による議論が展開された。

◆認知症の早期発見と予防を多職種で,地域社会で

学会の模様
 「認知症の早期発見と予防の必要性」をテーマに講演した浦上氏は冒頭,同学会理事長の立場から学会設立の意義について言及。認知症予防の科学的データが示されてきたこと,国際的な潮流としても認知症予防への積極的な取り組みが行われつつあること,高騰する医療・介護保険の問題からも認知症予防への早急な対応が求められていることなどを挙げるとともに,同学会を「認知症診療・ケアにかかわる多職種の連携や認知症予防に携わる人材の育成などを実現する場にしていきたい」と抱負を述べた。また,認知症の早期診断の有効な方策の一つとして,嗅覚機能検査を提示。アルツハイマー型認知症患者の場合,記憶障害よりも嗅覚異常が先行して現れるという。早い段階で嗅覚に異常が生じていないかをチェックすることが,認知症の早期発見につながるとした。

 招聘講演「認知症予防に向けての地域社会としての取り組み」では,原淳子氏(Shankle Clinic)が米国における認知症問題と予防の取り組みについて報告。自身がかかわるカリフォルニア州オレンジ郡での予防プログラムにおいては,認知症患者・家族を地域でサポートするためにかかりつけ医の役割が重要であることから,知識レベルに合わせた複数のセミナーや診断ガイドラインの提供,専門医とのネットワークづくりなどを通じてかかりつけ医のサポート体制を強化しているとした。

 本学会においてはそのほか,画像診断の活用法や運動療法による認知機能低下抑制効果の検証,認知症による行動障害への対応など,認知症の早期発見や発症進行防止に関するさまざまな取り組みが紹介された。