医学界新聞

連載

2010.02.22

【Pictogram】

いのちを見守るコミュニケーションデザイン
――医療看護支援ピクトグラム

■職員共有編(4)

 リハビリ中

横井郁子(東邦大学医学部看護学科教授)


前回よりつづく

お父さん,管が入っているのに,もうリハビリ始まったの? すごいね。

 このピクトグラムは,理学療法士や作業療法士など専門スタッフの訓練を受けているという意味を示しています。医療看護支援ピクトグラムは,病院での使用を前提に作成したもので,中でも急性期病院を想定しています。

 私は,入院期間を短くするための一方策は,「スタッフ皆がベッドサイドに集まる」ことだと考えています。薬剤師,栄養士,そして理学・作業療法士もベッドサイドでケアをする時代となりました。当然,患者さんのもとに出向くときには情報を確認していますが,ベッドサイドにピクトグラムがあれば,あらためて注意事項を想起していただけるのではないかと思います。また,主要な話,例えば薬の説明を始める前に「リハビリが始まったのですね」と添えていただけたらと思っています。それは「あなたという人に関心を寄せています」というメッセージが,「よいお天気ですね」で始めるよりずっと伝わると思うからです。

 ベッドサイドがいつでも集中治療室となるのは急性期病院での理想かもしれません。しかし,やはり忘れてはならないのは患者さんの生活空間でもあるということ。常にそこに立ち返り,柔軟にしつらえを調整するのは看護師しかいないのではないかと思います。また,そうであってほしいです。

 

 このピクトグラムを検討する過程で,アニメキャラクターのポパイ(ご存じの方はもう少ないのでしょうか)のように腕をぎゅっと曲げて力こぶ,という絵をぱっと思い浮かべた私ですが,それはスポーツジムでしょ,と一笑に付されてしまいました。

研究会ホームページ
 http://www.lab.toho-u.ac.jp/project/kango/healthcare_pict/index.html

ベッドまわりのサインづくり研究会(横井)
E-mail:care_pict@med.toho-u.ac.jp
電話:03-3762-9881(東邦大医学部看護学科代表)

医療看護支援ピクトグラム
(社団法人日本サインデザイン協会推奨)

つづく

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