医学界新聞

 

新人を知りぬく内科チーフレジデントが語る“鉄則”

岡田定氏(聖路加国際病院内科医長)


 聖路加内科コアカンファレンスは,新臨床研修制度が導入された2004年から開始された。新人研修医を対象とした内科チーフレジデントによる自主的カンファレンスである。このカンファレンスは,ある種の危機感がきっかけになって始まった。

 聖路加の内科では研修医3年目で病棟長を任される。病棟長とは,3-4名の1,2年目の研修医を指導しながら,30数名の病棟の全患者を管理する専門研修医である。新制度では初期2年間の内科研修が今までよりも短縮され,「新制度の新3年生には病棟長は務まらないのではないか」,「今までの聖路加の研修システムは破綻するのではないか」という危機感が生じた。この危機感こそが,2004年度の内科チーフレジデントをして「何としても研修医を早く育てないと……」と,本カンファレンスを企画・実行させたのであった。

 毎週土曜日,早朝7時のスタート。出席を強制されたわけでもないのに,新人研修医のほぼ全員が集まる。カンファレンスが始まってすでに2年。その光景は今も変わらない。「とにかく実践的で役に立つ」がその理由である。

 聖路加の内科チーフレジデントは,研修3年目後半から4年目で選任される。「他の研修医から信望があるか,リーダーシップが発揮できるか」というのが選考基準である。チーフレジデントとはスーパーレジデントである。彼らには各専門分野の深い知識はまだなくても,内科全領域に通じた即戦力がある。病棟,当直,救急の現場において,彼らほど頼りになる存在はいない。そして彼らの何よりの強みは,「新人研修医のおかれている実際の現場,新人の疑問,不安」を誰よりもよく把握していることである。

 こんなチーフレジデントが新人に,具体例をもとに「内科の鉄則」を熱く語りかける。新人にとってこれほど即戦力が身につくカンファレンスはない。経験のある専門医にもなしえないカンファレンスなのである。

 研修医なら誰でも,「わからない,うまくいかない!」がいっぱいあるでしょう。『内科レジデントの鉄則』では,聖路加の内科チーフレジデントがあなたに「実際の症例にどう考えどう対応するか」を語りかけます。臨床の現場で悩んでいるあなたにとって,きっと心強い味方になると思います。