医学界新聞

 

再び集うcollege-med OBから
志を同じくする若き友へのメッセージ


大学・病院の壁を越えた横のつながり

土畠智幸氏(手稲渓仁会病院小児科)


 旧MLの開設当時は大学5年生で,同級生とやっていた症例検討の勉強会の内容をそのままMLに投稿し,全国の医学生の方々とともにディスカッションしていました。毎回メールを送信した直後に数名の方からの返信があり,自分たち以外の全国の医学生はどのくらいのレベルでどういう考え方をしているのかということを知ることができ,仲間とともに非常に楽しみにしていました。医師になり数年経ちましたが,患者さんを診るうえでいちばん役に立っているのは,勉強会やMLでのディスカッションから得た知識であることがほとんどです。

 今回MLが復活するとのことで,今度は医師として立場をかえて関わることができ非常に嬉しく思っています。従来の医局制度からの脱却を迫られている現在,最も重要なのは大学・病院の壁を越えた横のつながりであると思います。このMLがその一端を担ってくれると信じています。市中病院に勤める一小児科医として私も協力させていただきます。


視野を広げる手助けに

堀之内秀仁氏(聖路加国際病院内科)


 医学生のころから蓄えた1万5000通弱のいろいろな方の言葉が,私のメールソフトにはいまだに残っています。興味をひかれるメールもあれば,まったく関心のなかった分野のメールも多く,どのニュース番組,ウェブサイトをみても金太郎飴のような情報にしか出会えないなか,私の視野を広げる大きな手助けになったのがcollege-medに投稿される皆さんの言葉でした。

 それからほんの少し時間が経ち,新たな研修制度が日本全国で導入され,定着しつつある最近,ないものねだりのようにcollege-medが果たしていた役割の大きさを再認識していました。ちょうどそんな折,市村先生を中心としたcollege-med OBの方々とともに,インターネットの持つ垣根を壊していく力を存分に生かしたこのMLを再始動できること,心から喜んでおります。


学生の特権としての間違い

山本舜悟氏(洛和会音羽病院総合診療科・感染症科)


 「面白いMLがあるよ」。大学4年生の頃,同級生からそんなことを耳にしたのがcollege-med MLとの出会いでした。当時友人とケース・スタディを中心にした勉強会をやろうとしていた頃で,ML上でのケース・スタディはとても魅力的なものでした。あの頃MLで勉強したことで,医師になってからも役立つことがたくさんありました。

 間違ってもよいから,と思ってとにかく自分が考えたことを述べてみる,ということは大事なことです。間違っていたら誰かが訂正してくれます。臨床に出てから間違うのは,結構嫌なものなので,学生時代にこういう経験ができる場は貴重だと思います。

 医学生の皆さんには,臨床に出る前にたくさん失敗のできる場に,研修医の皆さんには,陥りやすい失敗の共有の場に,指導医にとってはティーチングポイントや豆知識を仕入れる場に,といろいろな使い方ができるMLになったらいいなと思います。