医学界新聞

 

WEB討論会

「医師のプロフェッショナリズムについて考える」開催

尾藤誠司(国立病院機構東京医療センター)
大生定義(立教大学・聖路加国際病院)


討論会開催の経緯

 国内外における昨今の医療不信,医療変革の中,米国内科学会など米欧合同3学会は,2002年に「新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズム」と冠した医師憲章を策定しました。憲章では知識,技術,態度・コミュニケーションなど普遍的な要素のほかに医師ならではの「医師の社会的責任」も強調し,グローバル・スタンダードとなりうるものと,多くの国々に大きな反響を与えています。

 これを受け,日本内科学会認定内科専門医会は,2004年にプロフェッショナリズム委員会を立ち上げ,わが国の「医のプロフェッショナリズム」はいかにあるべきか,議論を重ねてきました。今回,この委員会を母体に,文科省科研費課題「わが国における医師のプロフェッショナリズム探索と推進・教育に関する事業研究(主任研究者=尾藤誠司)」研究班が立ち上がり,その事業の一環として,WEB討論会『医師のプロフェッショナリズムについて考える』が,さる7月24日-8月1日,開催されました。

討論会の概要

 「医師は患者の利益に対してどこまで犠牲的であるべきか」「医学的に無益,もしくは有害と思われるサービスを患者が要求する場合,医師はどのような態度をとるべきか」などがテーマで,日常業務で遭遇するような,医師のプロフェッショナリズムを問われる,具体的なシナリオが7つ提示されました。社会学者・心理学者等も協力者として加わり,医師・歯科医師・医学生の参加者がWEB上で討論し,実数で219名がログイン参加,63名が発言し,のべ379件の投稿で,非常に建設的かつ内容の濃い討論会となりました。

 研究班では,討論会のテキストをまとめ,今後わが国のプロフェッショナリズム推進に向けた方略を計画しています。討論会の内容は,http://www.plamed.co.jp/w5/ から閲覧できます(医師である認証が必要なため,事前にID/パスワードの取得が必要になります)。