第2661号 2005年12月5日


第11回白壁賞,
第30回村上記念『胃と腸』賞決定


 第11回白壁賞と第30回村上記念「胃と腸」賞の授賞式が9月21日,東商ホールにおける早期胃癌研究会の席上で行われた。第11回白壁賞は林俊壱・他「病変表層の組織構築からみたsm massive癌の診断-pit patternとSA patternを中心に」(胃と腸39:753-767, 2004)に,第30回村上記念「胃と腸」賞は細川治・他「早期胃癌術後残胃の内視鏡サーベイランス」(胃と腸39:985-995, 2004)に贈られた。

 白壁賞は,故白壁彦夫氏の業績をたたえ,消化管の形態・診断学の進歩と普及に寄与した論文に贈られるもので,『胃と腸』誌に掲載された論文に加え,応募論文も選考の対象となる。

 贈呈式では,選考委員会を代表して長南明道氏(仙台厚生病院消化器内視鏡センター)が選考経過を説明。「本論文は,拡大内視鏡でいわゆるVN型を示さないsm massive大腸癌にSA pattern,すなわちpit間介在部の染色性の診断を加えることでsm massive浸潤の診断能が向上するとするもので,特に組織との対比は厳密で,かつ画像も美しい」と選考理由を述べた。編集委員長の飯田三雄氏(九大病態機能内科)も「拡大内視鏡の所見と組織所見とを厳密に検討した論文で,白壁賞にふさわしい」と述べた。

 受賞者代表として,林俊壱氏(林俊壱クリニック)は,大腸腫瘍の診断と治療をライフワークとするきっかけとなった工藤進英氏(現昭和大学横浜市北部病院消化器センター)ほか,多くの恩師への感謝の意を示した。

 村上記念『胃と腸』賞は,故村上忠重氏の業績をたたえ,消化器,特に消化管疾患の病態解明に寄与した論文に贈られるもの。『胃と腸』39巻に掲載された全論文の中から選ばれた。

 長南氏は「本論文は,15年の長期にわたる定期的な内視鏡サーベイランスにより残胃癌の累積罹患率を算出した唯一の報告であり,残胃癌は15年目まで同じ割合で増加するため可能な限り長期にわたりサーベイランスを続けるべきであること,間隔は2-3年ごとが実際的であること,特に初回同時多発癌であった分化型腺癌患者に力点を置くべきことなど,内容は詳細かつ具体的であることが評価された」と選考理由を述べた。

 受賞者を代表して細川治氏(福井県立病院外科)は,「村上先生を顕彰した賞を受けることは身に余る光栄。早期胃癌研究会に,施設や地元からひとりで出席し心細い思いの方も多いと思うが,私もそうした時期を過ごし,今も勉強させていただいている。これからも皆さんといっしょに勉強していくことをお願いしたい」と挨拶した。