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「第10回白壁賞」および「第29回村上記念『胃と腸』賞」贈呈式が,さる9月15日に東京都千代田区の東商ホールにおいて,早期胃癌研究会の席上で行われた。受賞論文は「第10回白壁賞」が井上晴洋氏(昭和大横浜市北部病院)の「食道扁平上皮癌の拡大内視鏡」(胃と腸38巻12号)ならびに岩下明徳氏(福岡大筑紫病院)の「Mesenteric phlebosclerosis-A new disease entity causing ischemic colitis」(Diseases of the Colon and Rectum vol.46 no.2),「第29回村上記念『胃と腸』賞」が松田彰郎氏(南風病院)の「胃型分化型早期胃癌の画像診断-X線を中心に」(胃と腸38巻5号)。
贈呈式ではまず,選考小委員を代表して星原芳雄氏(虎の門病院)が選考経過を説明。「井上氏の論文は,食道の内視鏡検査において拡大観察でみられる上皮乳頭内血管ループの変化を観察することの臨床的意義,特に癌の深達度診断におけるその有用性を提示したもので,非常にオリジナリティが高い」と評価。また,岩下氏の論文については「静脈硬化症による虚血性腸病変を新しい疾患単位としてとらえることを提唱したもので,英文論文として海外でも認められている」と受賞理由を述べた。
これを受けて井上氏は「今回の受賞をさらに勉強しなさいということと受け取っている」と今後の研究への意気込みを語るとともに,岩下氏も「虚血性腸病変の究明を今後も続けたい」と挨拶。若い頃に白壁先生に励まされたエピソードにも触れ,「白壁先生のお名前を冠に戴く賞を受賞したことを喜ぶとともに,今後は白壁先生を見習って後進の指導に尽力したい」と述べた。
星原氏は選考理由について,「松田氏の論文は,境界不明瞭でリンパ節転移を来しやすい異型分化型早期胃癌の画像を詳細に検討している」と説明。これを受けて松田氏は,鹿児島において消化器分野の礎をつくった医学者として故白壁彦氏,故政信太郎氏,中村恭一氏,西俣寛人氏,西俣嘉人氏らの名前をあげ,謝辞を述べた。