医学界新聞

 

2003年度高松宮妃癌研究基金学術賞等贈呈式


 高松宮妃癌研究基金による,2003(平成15)年度学術賞等贈呈式が,さる2月23日に,東京都千代田区のパレスホテルにおいて行なわれた。
 高松宮妃癌研究基金は,癌の撲滅を強く願う高松宮妃が名誉総裁となり1968年に発足,優れた癌研究に対する助成事業を行なっているほか,毎年国際シンポジウムやワークショップを開催している。
 本年度は「癌免疫療法におけるToll-like receptorsの役割」で審良静男氏(阪大微生物研),「眼部悪性腫瘍の眼球保存療法に関する研究」で金子明博氏(国立がんセンター中央病院)が学術賞を受賞し,また,13名の癌研究者に研究助成金および海外出張助成金が授与された。
 贈呈式では,同基金総裁を務める寛仁親王が「医学の進歩,専門領域の細分化によって,医師と患者間の間でのコミュニケーションが十分になされていない」と指摘,「医師の技術の前にまず,人間として患者に接してほしい」と医療者が持つべき心構えの重要性を強調した。これを受け,金子氏は謝辞の中で「人間味豊かな医療をめざし,患者にとってよき先生であるよう努めたい」と今後の抱負を述べた。