医学界新聞

 

金原一郎記念医学医療振興財団

第34回認定証(第18回基礎医学医療研究助成)贈呈式開催


 金原一郎医学医療振興財団(理事長=理化研脳科学総合研究センター所長 伊藤正男氏)は,このほど「第18回基礎医学医療研究助成」の交付対象者として30名(助成総額1500万円)を選出し,さる10月20日,東京・文京区の医学書院本社において第34回認定証贈呈式を開催した(助成対象者および研究内容は第2562号に掲載予定)。
 同財団は基礎医学の振興を目的として,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受け入れ助成,(4)研究出版助成の4つの助成事業を行なっている。
 開会に際して,挨拶に立った金原優同財団常任理事(医学書院代表取締役社長)は,「この財団は医学書院創業者金原一郎の遺志を継いで16年前に設立し,臨床医学の進歩を支える基礎医学の若い研究者を対象に助成を行なっている。“専門書出版”という業態を母体としているためささやかではあるが,今回の受賞を励みとして,今後もさらに研究を進め,医学医療の進歩に貢献していただきたい」と激励した。
 認定証の贈呈の後に,同財団理事で選考委員長の野々村禎昭氏(東大名誉教授・(財)微生物化学研究会理事長)は,「特に今年は例年にも増して競争率はもちろんのこと,内容的にも一段と飛躍的に高くなり,基礎系研究者の“登竜門”と言えるほどになったことは喜ばしいことである。本財団が発行している雑誌『生体の科学』への投稿を含め,今後とも研究を推進していただきたい」と祝辞を述べた。
 続いて,「普遍的幹細胞特性に関する分子の同定と機能解析」を助成対象として受賞した大保和之氏(慶大)が受賞者を代表して挨拶に立ち,選考委員ならび財団関係者に謝意を述べ,「このような歴史のある,かつ名誉ある賞を受賞したことは身が引き締まる思いがする。私の研究テーマである生殖細胞は細胞の中で唯一,次の世代を作りうる細胞である。特に幹細胞研究は再生医療の観点から注目を集めている。今回の助成の成果を他の分野にも関連させることができればと思う」と抱負を述べるととともに,「今後の貴財団の発展を祈念する」と謝辞を述べた。