医学界新聞

 

21世紀COEプログラムに看護系から3件


 国際競争力のある大学の研究教育拠点を学問分野ごとに形成する目的で,優れた研究成果が期待できる拠点に,そのための経費を重点配分するCOE(Center of Excellence)プログラムの今年度の採択結果が7月17日に発表された。注目されたのは今年度から医学系研究の採択が始まったこと。有識者らの委員会(江崎玲於奈委員長)により選ばれた133件(申請件数611件)のうち医学系は35件(同138件),そのうち看護系で採択された研究テーマおよび拠点は次の3件という結果であった。
 (1)日本文化型看護学の創出・国際発信拠点-実践知に基づく看護学の確立と展開〔千葉大学看護学部・(拠点リーダー)石垣和子〕,(2)ユビキタス社会における災害看護拠点の形成〔兵庫県立看護大学・(同)山本あい子〕,(3)市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点〔聖路加看護大学・(同)小松浩子〕。
 COE採択についての報道解禁の直後に記者会見の場を急遽設けた聖路加看護大学では,拠点リーダーの小松浩子教授(写真)をはじめ,常葉恵子学長,堀内成子学部長,川越博美看護実践開発研究センター教授が報道発表に臨んだ。「面接審査では委員からどのようなことを聞かれたのか」という会場からの質問に対して,小松教授は「なぜ,市民の“参画”ではなく,“主導”なのかと聞かれたので,人々の意思決定やそこにかかわる主体性を支援するのが看護の役割なので,“主導”なのです,とお答えしました」と,COEに採択された喜びが滲み出るように答えた。