医学界新聞

 

日本看護協会「プレス懇談会」開催




 日本看護協会(南裕子会長,52.4万人)が主催するプレス懇談会が,さる11月22日に,東京・千代田区の如水会館で開かれた。プレス懇談会は,一般・専門マスコミ,論説・解説委員などを対象に,年に数回開催されているものだが,今懇談会では(1)医療・看護安全対策への取り組み,(2)最近のナースセンター事業の展開,(3)介護保険問題,(4)精神障害者の保健・医療・福祉,(5)専門看護師の活動,(6)看護師の卒後臨床研修必修化,(7)児童虐待防止への取り組みについて,各担当理事から報告された。

新卒採用者の院内教育は98%で実施

 南会長は,冒頭の挨拶で,厚生労働省がさる9月30日付で各都道府県知事あてに通達した「看護師等による静脈注射の実施について」に触れ,「通達後,看護職が医師から静脈注射をするように命令された施設があったようだが,通達の内容は『しなければならない』ではない。各施設が患者の安全に配慮し,十分な安全が確保した上で実施するなど,施設内基準を設ける等の努力が必要。本協会でも『ガイドライン』の作成を急いでいる」と述べた。
 また,同協会が検討を進めている「看護職員の卒後臨床研修制度」に関連して,今懇談会では「新卒看護師の『看護基本技術』に関する実態調査」の結果(133施設,2110人が回答)が速報として報告された。それによると,新卒看護師採用者への「看護基本技術」教育を実施している施設は97.7%,平均教育時間は18.5時間。入職後3か月の新卒看護師が「現在1人でできる」と回答した項目は限られていることや,入職後2か月で夜勤に就いている実態も明らかとされた。これらは,同協会のホームページ(http://www.nurse.or.jp/)でも閲覧できる。