医学界新聞

 

2002年日本赤十字看護大学公開講座開催




 2002年度日本赤十字看護大学公開講座が,さる10月19日に,「子どもを守るのはだれか―家族の役割,国の役割」をテーマに,東京・広尾の日本赤十字看護大学で開催された。 今公開講座では,基調講演「子どもをめぐるこれからの家族」(作家 吉永みち子氏)とシンポジウム「子どもの救命救急とコミュニティの再生」が行なわれた。

子どもを守るのはだれか

 シンポジウムは,「いじめ,不登校,児童虐待など,子どもをめぐるさまざまな現象が社会的な問題となっている。また,子どもにとって家族は最初に出会う社会対象だが,家族のあり方が変化している現代において,家族だけで子どもを守れなくなってきている」として,「子どもを守る」をキーワードに,コミュニティのあり方や国,公共機関の役割を探ることも目的に企画。
 演者は,全国的に児童虐待防止事業の支援やスーパーバイザーを務める広岡智子氏(子ども虐待防止センター・社会福祉士),地域の母子保健システム作りや政策にかかわる小林政子氏(世田谷区玉川保健福祉センター・保健師,精神保健福祉士),地域の子育て支援や「おやじの会」連絡会の運営に携わっている望月明夫氏(世田谷区教育委員会・教育主事)の3氏。
 児童虐待がなぜ社会化したのかや,虐待を受ける子の特性を解説。また母親の2/3が「子育てに自信がない」との現状や母親役割の軽減支援策,地域の中で父親が子育てに関わるおもしろさが語られたが,「子どもを守るのは向こう3軒両隣」であり,親がどのようにつながるかが課題とされた。