医学界新聞

 

国際シンポ「保健医療政策の変革と看護学大学院教育」開催


深刻な看護師不足が話題に

 さる8月28-29日の両日,東京医歯大大学院保健衛生学研究科総合保健看護学講座の主催による,国際シンポジウム「保健医療政策の変革と看護学大学院教育」(文部科学省平成14年度国際シンポジウム開催経費)が,東京・湯島の同大学で開催された。
 同シンポでは,アメリカ,カナダ,イギリス,フィンランドの4か国8大学,日本からは4大学の指導的立場にある教育者が登壇。4つのセッションに分かれ,各大学のカリキュラムの特徴や,各国の実情から将来展望を含めての講演が行なわれた。
 初日のシンポ1では,本シンポの責任者を務めた島内節氏(同大学院保健衛生学研究科学科長)をはじめ,新道幸惠氏(日本看護系大学協議会長,青森県立看護大学長),野口美和子氏(自治医大看護学部長),菱沼典子氏(聖路加看護大看護学部長)が,日本における看護大学・大学院の現状などを報告した。また,2日目のシンポ3(写真)には,アメリカ・ワシントン大,コロラド大,およびカナダ・トロント大のユニークな教育カリキュラムが紹介されるとともに,両国ともに「看護師不足」が深刻となっている現状が報告された。なお,この現象は教員不足や高齢化の元凶ともなっており,アメリカの就労看護師の平均年齢は45歳という。参考までに,本シンポ参加外ながらオーストラリアでも看護師不足は深刻化しており,同国における就労看護師の平均年齢は46歳との報告がある。