医学界新聞

 

医療制度改革にどのように対応するか

日本病院管理学会第207回例会開催


 日本病院管理学会第207回例会(担当:東邦大 鈴木荘太郎氏)が,さる6月8日,「医療制度改革にどのように対応するか」をテーマに,東京・大森の東邦大学病院で開催された。本例会では,鈴木氏の司会のもと,「今年度の健康保険法改正における(大学病院)の対応策」(東医大 名和肇氏),「電子カルテとクリティカルパスによる医療改革:医師の立場から」(NTT東関東病院 小西敏郎氏),「同:看護の立場から」(NTT東関東病院 石坂整子氏)の3題の講演が行なわれ,その後フロアを交えての討論会となった。
 なお,名和氏は初のマイナス改定となった今年度の健康保険法改正を概略した上で,「保険改正による減収は,患者数および検査・画像診断件数を増やさないと止められない。急性期病院加算の減算対応は今後の課題」と述べた。その上で,「CT・MRIをより効率的に稼動させるには,職員の勤務時間をフレックスにするなどの対応が必要」と示唆した。また,小西氏は自院での電子カルテ導入に関連し,「看護職はパソコン操作ができないと業務ができない時代である」と述べるとともに,「導入による経済効果は2億3800万円の節減であった」と報告した。さらに石坂氏は電子カルテ,クリティカルパスのメリット・デメリットを論じた。
 総合討論の場では,「医療の標準化はありえるのか」などが話題になるとともに,情報の共有とチームワークによる医療体制の必要性が強調された。