医学界新聞

 

「アジア医学生国際会議2002」開催にあたり

アジア医学生連絡協議会


 きたる8月4-11日の日程でアジア医学生連絡協議会(AMSA)主催による「アジア医学生国際会議2002」が開催されます。これは,アジア地域各国・各地域の医学生の代表者が一堂に会し,アジア地域のさまざまな医療問題について話し合う会議です。
 この会議はかつてカンボジア難民問題を契機として,1980年に日本とタイの医学生たちによって創められました。当時のタイ側の難民キャンプにおいて日本人医師やボランティアたちとともに救護活動に参加していた日本人学生たちが,長期的展望に立った望ましい国際医療協力の基盤を学生の手で作れないかと考え,その可能性を探るべくタイの医学生たちと各国の地域保健・医療,難民対策,国際医療協力等の諸問題について話し合う機会を持ったのが始まりです。その後「アジア医学生連絡協議会(AMSA)」が創設されました。それから今に至るまで毎年1回AMSA加盟国のいずれかで行なわれ,現在オーストラリア,タイ,韓国,日本,マレーシア,インドネシア,香港,台湾,フィリピンなど10を越える国と地域から250名余りの医学生が集う会議へと発展しました。会議の色彩は主幹国によって毎年やや異なりますが,基本的にはその年の議題に沿った論文発表や討論会に加え,病院見学や施設見学等の学術的な企画が準備されております。2002年の23回目の会議は17年ぶりに日本にて開催されます。

アジア医学生連絡協議会(AMSA)

 現在,AMSA Japanはアジアの医療向上を目指し,学生の間で広くヒューマンネットワークを作り上げることを目的とする国際的な学生組織,AMSA Internationalの日本支部として活動しています。AMSA Internationalは現在日本を含めたアジア地域の計9か国に支部を有し,それぞれが独自の活動を行なうとともに,支部間での横のつながりも重視しています。日本支部の主な活動内容としては,今回のような「アジア医学生会議(AMSC)」や,日本,韓国,タイ,台湾など少数の国・地域による「東アジア医学生会議(EAMSC)」への参加,総会・国内交流会の開催,国内機関誌“Asian Brothers”の発送,インターネットによる学生間の情報交換,AMSEP(交換留学プログラム)の紹介,スタディツアーの開催(不定期)等多岐にわたります。
 アジア各国の医学生が集まって討論するという機会はあまりないと思います。普段聞くことのできない他の国の学生の声を実際に聞くことができるので,将来海外で医療活動をしてみたい方や学生のうちに海外ボランティアをしてみたい方,そしてこの会議やAMSAに興味を持たれた方は下記の連絡先までご連絡ください。

●2002年アジア医学生国際会議
 プログラム

◆開催地:宇都宮市
◆開催時期:8月4-11日
◆テーマ:「アジアの地域医療」
◆参加予定国・地域:インドネシア,オーストラリア,韓国,タイ,台湾,日本,ニュージーランド,パプアニューギニア,フィリピン,香港,マレーシア 他
◆参加人数:約300名(日本人参加者22名)
◆主なプログラム
〔基調講演〕WHO西太平洋事務局長 尾身茂
〔論文発表〕アジア諸地域の地域医療の現状を捉え,各国からの報告と質疑応答を行なう
〔講演会〕会議のテーマに関する専門家および第一線の先生方による講演を通して各国の地域医療の現状への理解を深める
〔スモールグループディスカッション〕アジアの地域医療に関する問題点をCulture,Disease,Systemという3つのサブテーマに分けて,それらの側面から考える
〔フィールドワーク〕スモールグループに分かれて日本の病院・診療所・保健所などを見学し,日本の保健医療を体験する
〔文化交流会〕アジア各地の伝統文化を紹介し合い,相互の文化への理解を深める
◆連絡先
 アジア医学生会議Chief Delegate
 岡山大学医学部医学科4年 佐藤琢爾
 TEL & FAX(086)234-5103
 E-mail:taku-ji@nifty.com
 アジア医学生連絡協議会日本支部事務局
 琉球大学4年 羽賀亜矢子
 E-mail:a-haha@serenade.plala.or.jp