医学界新聞

 

コンピュータ試験とOSCEで評価

共用試験の概要発表――2005年度本格実施


 効率的な教育を行ない,質の高い医師を育成するためには,診療参加型の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)の導入が不可欠だと言われている。しかし,学生を診療に参加させるには,一定の「態度」「技能」「総合的知識」「問題解決能力」を学生が身につけている必要があるだろう。今回,そのような観点から,臨床実習開始前に全国共通で行なわれる学生評価のための試験システムが構築され,その概要が明らかにされた。


コア・カリキュラムに準拠

 試験の正式名称は「臨床実習開始前の学生評価のための共用試験」で,知識と問題解決能力を評価するMCQ(多肢選択試験)形式のCBT(コンピュータ試験)と技能・態度を評価するOSCE(客観的臨床能力試験)によって実施される。
 内容的には,昨年3月に作成され話題となった医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠しており,2005年2月に本格実施される予定だ。共用試験の利用は各大学の自主性に任されるが,2005年の本格実施の時点ではほぼ全大学が参加するものと思われる。なお,本年2-5月には71医学部,25歯学部で,CBTのトライアルが,またOSCEについても1-4月に12医学部,9歯学部でトライアルが行なわれる。

CBTとOSCEで実施

 CBTはコンピュータを活用し,一定の質の管理がなされた良問1-2万題をプールして,受験者ごとにそこから数百題の問題がランダムに出題される仕組みで,受験者ごとに問題が異なる。受験者はそれをコンピュータ端末の画面上で解答することになる。また,実施時期・回数は各大学の判断に委ねられる。
 一方,医学部における共用試験のOSCEは,ステーションおよび評価の標準化を図るために外部評価者の相互乗り入れを行なう。本年のトライアルでは,例えば,慈恵医大と獨協医大,東海大と聖マリアンナ医大……など,1組2大学で6組の組み合わせで評価者の相互派遣を実施する予定だ。