医学界新聞

 

Vol.17 No.1 for Students & Residents

医学生・研修医版 2002. Jan

【新春インタビュー】

スザンヌ&ロバート・フレッチャー氏

自己変革し続けるハーバード医学部

聞き手:田中まゆみ氏(イェール大学ブリッジポート病院 内科・小児科レジデント)


 コア・カリキュラムの導入など,現在,日本の医学教育界にも改革の波が押し寄せている。その狙いの1つは,従来の「知識伝授型」から,患者の抱える問題を重視する「問題解決型」への学習・教育方法の転換だ。ハーバード大学医学部が1987年に導入したカリキュラム「ニューパスウェイ」はその究極のモデルと言えるが,ハーバードではさらなる改革の動きが始まっている。優れた臨床教官であり,臨床疫学の大家として日本でも知られるスザンヌ&ロバート・フレッチャー両教授に,米国の医学教育事情に詳しい田中まゆみ氏がインタビューを行なった。(「週刊医学界新聞」編集室)


■ニューパスウェイの将来

スザンヌ・フレッチャー氏(ハーバード大学医学部教授)に聞く



OSCEの試験官を務めるスザンヌ・フレッチャー氏
ハーバードのOSCEについては近刊『ハーバードの医師づくり-最高の医療はこうして生まれる』に詳しい
 「ニューパスウェイ」がハーバード医学部に導入されてから10年以上がたち,その精神は高く評価され,すっかり定着したかに見える。しかし,ハーバードの本当のすごさは,決して現状に甘んずることなく,常にアンテナを張り巡らし,「次は?」と自己改革を怠らない点にある。
 実際にMGHでクラークシップを経験する中で,医学生たちの「ニューパスウェイ」方式への絶大な支持を実感しながらも,「これで終わり,ではないはず」と私は確信していた。おりしも米国に吹き荒れる医療制度改革が医学教育にとっては厳しい逆風となっており,良心的な教官の誰もが大変な危機感を抱いているのを,ひしひしと感じていたからである。より質の高い医学教育をめざすために,彼らは必ず将来計画を練っているはずである。
 しかし,ハーバードの大学新聞「Gazette」や医学部報「Focus」をフォローしても,1997年以後,ニューパスウェイに関する記事は見られない。次なる改革の芽は何処に……。

ニューパスウェイの抱える問題とは?

 そのような疑問を投げかけつつ,外来・予防医学部門のスザンヌ・フレッチャー教授にインタビューを申し込んだところ,即座に快諾してくださったばかりか,インタビューの冒頭に,「絶妙のタイミングと言うべきか,昨日,こんなものが回ってきたのよ」と,プリントアウトした内部E-mailを見せてくれた。
 《われわれの多くにとって,ニューパスウェイは当初の情熱を失ってきてしまいました。いくつかのコースに必要な教官を集めることが困難になってきていますし,学生も学ぶ意欲は衰えたわけではないにせよ,興味対象にムラがあります。学生・教官や教育政策諮問委員会と話し合った末,このような問題点を討論するために,関心ある人たちを集めて討議セッションを持つことにしました。そこで得られた問題点に基づいてタスク・フォースを開始し,2002年3月までに結論を出し,2002年度からの教育カリキュラム内容に対する提案を行なう予定です。日時は……》
 「あなたも,この討議セッションに出られるか,聞いてみたら? 私の名前を出していいですよ」このオープンさには,いつも感動させられる。

高い評価を得るニューパスウェイ

―――それで,ニューパスウェイはどう変わるのでしょうか?
S.フレッチャー それを話し合うためにその会合が持たれるんです(笑)。ニューパスウェイは,確かに医学部の最初の2年間を革命的に変えました。学生たちは,最初の2年間のニューパスウェイの基本精神をとても高く評価しています。それは,具体的には,講義時間を減らし,小人数グループで自発的な学習をする,ということですが,最も重要な点は,学生に,「自分は重要な存在だ」と感じさせる,ということですね。
 もともとハーバードというところは,いったん入ると,まるで家族のように学生や卒業生の面倒を見るという,古くからの伝統があります。この強い精神的結びつきは,ニューパスウェイ以前からそうだったようです。ニューパスウェイはこの伝統の上にあるわけですね。
 ところが,これはとても集約的な,密度の濃い,大変な人手のかかる教育なのです。ほとんどの場合が教える側のボランティアに頼っているわけです。ボランティアどころか,実際に「持ち出し」になることすらあります。MGH(マサチューセッツ総合病院,ハーバードの教育提携病院)のある教官が,熱心さのあまり,契約で決められた以上の時間を医学部での学生教育に使ってしまったのです。結局,その教官はその分,1万ドルの給料を返上しなければならなかったのです。
―――そんな馬鹿な!
S.フレッチャー まったくです。しかし,冗談ではありません。教育熱心なために身銭を切る結果になったのです。

■経済的圧力による締めつけを受ける医学教育

教育現場に深刻な打撃

S.フレッチャー その陰には,医療者に対する最近の外部からの経済的圧力(註1)があります。教育がその影響を最も深刻に受け,締めつけられています。ニューパスウェイによる医学教育のうち,後半2年間のクラークシップは,実際は病院など外部の医療機関で行なわれるわけですが,その病院が,教育に時間やお金をかけられなくなってきているのです。
 ニューパスウェイで,丁寧な問診,徹底的な診察,患者との信頼関係樹立の重要さを教えても,クラークシップをする学生が実際に入院患者を診察する研修医について回って目のあたりにする実状とはかけ離れているわけです。ニューパスウェイの精神を研修医からも学生に教えてもらうために,研修医にも「学生の教え方」が教育されていますが,入院日数短縮の圧力をもろに受けている研修医自身が教育の機会を奪われつつあるわけで,その研修医に,時間をかけて学生を教えろというのは無理な話です。

学生に十分に教えられない状況に

S.フレッチャー 結局,学生が最もしわよせを受けています。学生は何につけてもスローですから,根気よい密接な指導が必要で,それはあたり前のことなのですが,それを許容するゆとりが,今の医療にはなくなってしまいました。
 時間だけではありません。病院での教育は,とても狭い領域に限られてきてしまいました。例えば,糖尿病で入院してくるのは重症患者だけで,しかも,極端な例では10時間で退院してしまいます。それで糖尿病管理の何を教えられるというのでしょう。内科だけではありません,外科でも,入院中に教えられることがどんどん減っています(註2)。
―――そのため,外来教育が重要になってくるわけですね。しかし,外来でも,教える側にとって学生に時間を取られるのは身銭を切るに等しいという事情は同じですが……(註3)。
S.フレッチャー (大きくうなづきながら)でも,医療全体の外来への移行という流れは変わることはないでしょう。ですから,教育も外来中心に変革すべきなのは明らかです。夫(ロバート・フレッチャー氏)は今,2年間のクラークシップのうち9か月間を外来で過ごすという実験プロジェクトを立ち上げようとしています(ロバート・フレッチャー氏のインタビューを参照)。

■学生本位の教育改革

教育者として優秀かどうかが評価される時代

―――教育の費用を誰が払うかというのは,日本でも2004年までに卒後臨床研修を必修化するにあたっての大問題です。
S.フレッチャー これまで必修でなかったというほうが驚きですね。
―――まったくです。費用は誰が払うかという問題とともに,もう1つの関心事が,臨床を教える教官の待遇です。日本では研究論文が昇進を決めるので,大学では臨床に熱心な教官があまり育たないのです。この点,ハーバードは変わってきた,と聞いていますが。
S.フレッチャー ハーバードでも,長い間,昇進をめざすなら教育は最もやるべきでないこと,というのが常識でした。でも,これは今,確実に変わってきています。教官としても優秀であるということが,昇進にあたって考慮されます。この改革がニューパスウェイと関係があるかどうかはわかりませんが。
―――教官としての優秀さは,どのように評価されるのですか。学生のフィードバックだけですか。
S.フレッチャー 学生の評価は,当然重要視されます。それはもう,徹底しています。私も,あらゆるコースごとに,それどころか1回の講義ごとに,評価されています。ちょっとやり過ぎじゃないかと思うぐらいですが(笑),でも,とてもよいことには違いありません。

教育の成果を客観的に評価する

―――評価のよくない教官に講義を辞めてもらうことは実際起こり得るのですか。
S.フレッチャー それは,次の年にお願いする講義の数を減らすという形でですね。教育者としての評価は,学生からのフィードバックだけではありません。実際に学生が成功しているかどうかという,客観的証拠も大切です。このために,ニューパスウェイでは専任の教育学者にお願いして教育方法論を教えてもらっていますし,成果も評価してもらっています。彼女の貢献は大変なものです。
 内部では,OSCEが総括的評価になります。外部ではUSMLEですね。ニューパスウェイの初期の頃は,新方式で教育された学生がUSMLEのStep1でどういう成績をとるか,教授たちのほうがドキドキしていたのではないかしら(笑)。
―――USMLEのStep1の,医学部ごとの比較データはあるのですか。
S.フレッチャー 学部長は知っているでしょう。でも,学生はそんなことは知らないし,他大学と比較されてハッパをかけられることもありません。
―――ニューパスウェイが学生から好評であったことだけでなく,ニューパスウェイで教育された学生がUSMLEのStep1で旧来の方式に劣らずよい成績をとっていることも,推進する大きな裏付けになったわけですね。
S.フレッチャー その通りです。

「教育の研究」が大事

S.フレッチャー 第3に,アカデミックな教育者としては,やはり研究が大事だと考えています。ここでいう研究とは,学生を被験者としたRCT(註4)のような教育の研究です。ニューパスウェイの初期には,志望する学生にだけニューパスウェイを選択させていましたから,ランダムではないけれど比較試験を行なっていたわけですね。ある教育方法が優れているかどうかを,客観的証拠によって証明し,推進していくという姿勢が,医学教育でも大切だと考えます。
―――医学教育に対する経済的圧力の中でも,さらに教育改革を学生本位で進めていく必要があるということですね。EBMと同じで,証拠に基づいて,どのような教育方法がよいのかを明らかにして,「必要なものは必要である」と。
S.フレッチャー そういうことです。
―――今日は,お忙しいところを,どうもありがとうございました。クラークシップをしていても,教官の情熱にはいつも感動させられましたが,教育を統括・研究する立場の教授の情熱もすばらしいですね。
S.フレッチャー(にっこり笑いながら)みんな,教えることが好きで好きでたまらないんですよ。

註1:マネジドケアに代表される保険者による支払い方式の変化(出来高払から定額制,人頭割制,専門医への紹介制限など)により,医療者(病院や医師)が経済的リスクを負わされるようになったこと。結果として,入院患者数減少・入院日数の短縮・診療時間の短縮が起こり,病院閉鎖が相次いだ。研修医や教官は患者の回転が速いため忙殺され,医師(特に専門医)は同じ収入を確保しようとすれば数多くの外来患者をこなさなければならなくなった。
註2:外科手術の多くが外来で行なわれるようになり,入院例も,待機手術なら術前検査はすべて外来ですませ,術後も安定すればすぐリハビリ病院へ退院させるなど,入院期間が激減した。
註3:外来診察は,一般に1人30分(専門外来なら1時間)というのが長い間の医療習慣であったが,マネジドケアの隆盛で,今や1人20分になっている。保険者が大量契約で値切るので,1人あたりの支払い額が減り,さらに競争に勝つため患者を引き付けようと,週末・夜間など患者の利便に合わせて診療時間が長期化し,医師の時給は減少の一途をたどっている。労働の中身の濃密化は言うまでもない。
註4:Randomized Controlled Trial。ランダムに被験者を割り当てて比較する,バイアスの少ない臨床試験法。


■外来診療教育カリキュラム改革

ロバート・フレッチャー氏(ハーバード大学医学部教授)に聞く

 ハーバード大学医学部外来・予防医学部門のロバート・フレッチャー教授は,医学部学生に外来患者の診療を継続的に教育する新方式を導入し,成功を納めている。東大医学部との交流プログラムで日本の「3分診療」の実態も熟知しているという教授に,外来教育の新しい方向について考えをうかがった。


経済的圧力で入院から外来へ
患者の大移動が起こった

―――なぜ,新しい外来教育が必要になってきたのでしょうか。従来の方法とは,どのように違うのでしょうか。
R.フレッチャー 病棟教育は病気のほんの一部を見ているにすぎず,患者の本当の生活は病院の外にあり,患者の日常に近い外来での医学教育こそが非常に重要だと,われわれプライマリケア医は信じています。
 しかし,近年の外来教育の見直しは,そのような理念に基づいてのものではなく,金銭的動機によるものです。経済的圧力によって,すべての専門科で入院から外来へと患者の大移動が起こった,という時代的背景が大きいですね。

■同じ患者を同じ教官と9か月間一緒に診る

断片的になってしまった医学教育を立て直すために

R.フレッチャー 入院費用が高すぎるというので,入院期間がどんどん短縮され,それにつれて,入院患者に基づいた教育がますます困難に,また断片的になってきました。患者が外来に移行しているのですから,外来での教育をもっと重視すべきなのは当然だ,というわけです。
 今や外来のほうが,多彩な病気の異なった病期を経験できるからです。ただ,そのためには,時間的経過を追うことが重要になってきます。
 これまでは,学生が外来教育セッションで出会う患者は,ほとんどが初診で,教官もその都度変わり,その患者がその後どうなったかは知るよしもありませんでした。非常に時間をかけて,丁寧に完璧な病歴や身体所見を取り,教官と鑑別診断や治療方針を議論するだけに終わっていました。

学生・教官互いに不満が強い日本――教育には相互理解が必要

R.フレッチャー 新しいカリキュラムでは,もっと現実に即して,同じ患者を同じ教官とともに9か月間にわたって経過を追う中で学んでいこうというものです。教官を人間的によく知ることができたと,学生には非常に好評でした。
 日本では,教官と学生双方にお互いへの不満が強いようですね。教官は学生が教官を尊敬しないと言い,学生は教官が教育に不熱心だと言う。このように,9か月間も教官と学生が患者を介してつきあえば,おのずと相互理解が進むでしょう。病棟では,わずか1か月で,それもチーム医療の中で知り合うだけで,1対1の師弟関係ではありませんからね。
 学生は,長期にわたって教官と付き合うことにより感化されるところが大きいようです。

学生に診療への貢献求める

R.フレッチャー また,新しいカリキュラムでは,学生は,問診と身体所見を取った後,その場で教科書を読んだりコンピュータ情報(“UpToDate”など)を駆使して調べてから,その患者について教官と議論するのです。つまり,受け身で教えてもらうのではなく,主体的に責任を持って情報を収集し,患者の診察に貢献することが求められています。

■患者にとって最も重要な問題に焦点を絞る訓練

経済的圧力の中でいかに教育を充実させるか

―――なるほど,はるかに現場に近い教育法ですね。ただ,経済的圧力は外来にも及んでいて,医師は以前より多くの患者をこなさなければならなくなっていますね。そのような中で,外来教育を充実させるのは困難ではありませんか?
R.フレッチャー それはとてもいい質問です。より効率的な教育が求められているのは確かです。
 しかし,「時間をかけられない」ということは,悪い面ばかりではありません。今までのように,長々と徹底的な問診や身体所見に時間を費やすかわりに,患者にとって最も重要な問題に焦点を絞る訓練ができるからです。学生の段階では,主訴から,「絶対に見落としてはならない病気」を想起して,選択的に問診と所見を取れるようにする,ということに最も重点を置いています。

不可解な日本の「3分診療」――望まれる外来教育の充実

R.フレッチャー もちろん,問診は短すぎてもいけません。日本の,「3分診療」というのは,ちょっと米国では考えられませんね。そんなに短い時間で何ができるでしょうか? 検査申し込みと,専門科紹介と,薬の処方を書いて,「また次回」ということになりませんか? すると,すぐにまた診ないといけませんね。短い診療時間ゆえに,何回も何回も診察せねばならず,かえって医師は忙しくさせられ,結局時間の節約にはなっていませんね()。
―――耳の痛いご意見です。日本では,2004年から卒後臨床研修が必修化されますが,外来診療は日本の医療や医学教育の中で最も立ち遅れており,この必修化を機に何らかの形で外来教育がカリキュラム化されることが望まれます。米国ではプライマリケアも1つの専門科であり,フェローシップもありますね。
R.フレッチャー ボストンだけでも,ハーバード,ボストンメディカルセンター,タフツ,マサチューセッツ医大と4か所あります。変わったところでは,ベスイスラエルメディカルセンターに「代替医療」のフェローシップがあり,これもプライマリケアに含まれるかもしれません。ファカルティ・デベロップメント(医学生を教える教官のための教育)に参加する道は他にもいろいろあり,門戸は広いですよ。
―――今日は,お忙しいところをどうもありがとうございました。

インタビューを終えて

 すべてが金銭的動機で動く,と米国の医療制度を一言でさらりと喝破し,長く続いた超専門家時代からプライマリケアへという一見自分への順風に見える変化にも淡々としているフレッチャー教授。写真撮影をお願いしたら,「日本の方に失礼のないように」と茶目っ気たっぷりにわざわざ背広を着用してくださった(インタビュー中は,いかにも着心地のよさそうなチョッキ姿だった)。イヌイ教授といい,フレッチャー教授夫妻といい,海千山千のハーバード医学部の学生や教官の臨床教育に携わる教官が,揃いも揃ってこれほどにも暖かい人柄であることの意味,このようなすばらしい教育者と接する機会を得た幸運を,しみじみと味わった。

:日本の診療報酬体系が,まさに「再診料」で稼ぐ仕組みになっていて,3分間診療で2-3日おきに患者が来てくれれば,15分かけて2週間後にまた来てもらうより儲かるという説明を,フレッチャー教授は受けたかどうか。

●お知らせ

「MGHのクリニカル・クラークシップ」連載終了

 長らくご愛読いただきました田中まゆみ氏による弊紙連載「MGHのクリニカル・クラークシップ」は,スザンヌ&ロバート・フレッチャー氏への本インタビューをもって,最終回にかえ,終了とさせていただきます。
 本連載は,読者からの好評に応え,加筆のうえ,本年2月に単行本『ハーバードの医師づくり-最高の医療はこうして生まれる』(医学書院)として装いも新たに出版されます。どうかご期待ください。
 なお,弊紙編集室では本連載へのご意見・ご感想をお待ちしております。お送り先は投稿案内のページをご覧ください。



田中まゆみ氏

京大医学部卒,天理よろづ相談所病院,京大大学院を経てMGHおよびダナ・ファーバー癌研究所でリサーチ・フェロー。MGHで内科クラークシップ,ケンブリッジ病院で内科サブインターンを経験後,ECFMG認定証を取得。ボストン大大学院で公衆衛生学修士取得。2000年7月よりイェール大学内科・小児科合同プログラム(ブリッジポート病院)で臨床研修を開始。ハードな臨床研修の日々を送りながら,米国の医学教育事情についての執筆活動を続けている。ハーバード大学医学部の臨床教育を本紙にレポートした「MGHのクリニカル・クラークシップ」は大きな話題となり,この2月には同連載をまとめた単行本『ハーバードの医師づくり-最高の医療はこうして生まれる』(医学書院)が刊行される。