医学界新聞

 

第6回慶應医学賞授賞式が開催される


 第6回慶應医学賞の授賞式が,昨(2001)年11月29日に,東京・新宿区の慶應義塾大学北里記念医学図書館において行なわれた。本賞は,1994年に同大医学部の卒業生である坂口光洋氏(1940年卒)の寄贈を受けて設立された「慶應義塾医学振興基金」の事業の1つとして創設され,1996年から「医学・生命科学の創造的発展に貢献するとともに,この分野における国際的な人材の育成と交流に寄与し,人類全体の福祉の向上をはかる」ことを目標に授賞を開始した。
 第6回の受賞者は,トニー・ハンター氏(米・ソーク生物学研究所教授/カリフォルニア大サンディエゴ校助教授),および竹市雅俊氏(京大教授/理化研発生・再生科学総合研究センター長)の2名〔第2458号(2001年10月22日付)に詳報〕。ハンター氏は,「Srcチロシンキナーゼの発見と細胞増殖,癌化のメカニズムの解明」を業績に,Srcチロシンキナーゼを発見し,タンパク質のチロシンリン酸化が癌の発生に関与することを証明するとともに,細胞内情報伝達機構研究の礎を築いた点を高く評価された。また,「カドヘリンの発見と細胞間接着機構の解明」を業績に受賞した竹市氏は,医学部以外の出身者として初めての受賞となる。氏は,授賞式において,「理学部出身者として同賞を受賞できたことは誠に名誉である。生物学の分野で研究を続けてきたが,結果として医学に貢献できることを大変喜ばしく思う」と述べた。