医学界新聞

 

再生医学・医療のフロンティア



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 生命科学の急速な進展や,工学的視点の導入を原動力に,飛躍的な発展を遂げつつある再生医学・医療は,現在,最先端の医学・医療領域として,大きな注目を浴びている。
 再生医学の基本的な考え方は,細胞を利用し,分化・増殖を制御する細胞増殖因子と足場を与えて,組織や臓器の再生を促すというもの。人の失われた機能を,できるだけ自然な方法で取り戻すことを目的としている。患者自身の持 つ治癒力をサポートするという視点に立つ本領域は,まさに医療の本質と同義であると言っても過言ではないだろう。
 本紙では,新しい医療のあり方を提示する「再生医学・医療」に焦点を当てて,その多様な可能性を探ってみたい。


再生医学・医療の研究対象

●内科系疾患へのアプローチ

心筋梗塞
狭心症
拡張型心筋症
肺気腫
肺線維症
肺高血圧症
肝硬変
腎不全
慢性閉塞性動脈硬化症
脊髄損傷
パーキンソン病
脳梗塞,脳出血
痴呆性脳障害
網膜変症
難聴
骨・頭蓋骨・
 顎骨
毛髪
脳細胞
脳硬膜
角膜・網膜
内耳・中耳
永久歯
歯周組織
皮膚・粘膜
血管(動脈・静
 脈)
心臓弁
心筋
乳房(脂肪)
気管・肺
膵臓・肝臓
軟骨(関節軟
 骨・半月板・
 椎間板)
消化管(食道・
 胃・小腸・大
 腸)
腎臓
膀胱
尿管
中枢神経
末梢神経・自律
 神経網
指趾
腱・靱帯
括約筋


編集協力=清水慶彦氏(京都大学再生医科学研究所教授・再生医学応用研究部門・臓器再建応用分野) イラストレーション=木村政司氏