医学界新聞

 

患者が医療の主役になるために

公開市民フォーラム「乳がん治療,患者主役の時代に向けて」開催


 聖ルカ・ライフサイエンス研(日野原重明理事長)の主催による公開市民フォーラム「乳がん治療,患者主役の時代に向けて-患者が知る,学ぶ,選ぶ」(司会=あけぼの会会長 ワット隆子氏,聖路加国際病院 中村清吾氏)が,厚生労働省,神奈川県,横浜市の後援を得て,さる11月11日に,横浜市のパシフィコ横浜で開催された。
 同フォーラムでは,上野直人氏(米・テキサス大M.D.アンダーソンがんセンター)が「米国のチーム医療に学ぶ」と題して基調講演。全米評価ランキング1位のがん専門病院で行なわれているチーム医療の実情が報告されるとともに,「質問上手になろう」など医師と患者の適切な関係のあり方を述べ,「チーム医療の中心は患者」と強調した。 続いて行なわれたパネルディスカッション「患者が知る,学ぶ,選ぶ」には,上野氏に加え,玉橋容子氏(聖路加国際病院),柳原和子氏(ノンフィクション作家)が登壇。会場の参加者へのアンケート結果が即時に明示できる最新機材を用い,「納得した乳がん治療を受けているか」(「いいえ」「どちらとも言えない」が43%)をはじめ,納得できない原因と考えられる医師とのコミュニケーション不足の原因やセカンドオピニオン制など,患者である自分が医療の主役になる方策について議論が進められた。
 なお,日野原理事長が特別発言。『葉っぱのフレディ』を例にあげ,医療者とともにがんと闘うこと,主治医は自分で選択すること,などがユーモアを交えて話された。