医学界新聞

 

「ウィリアム・オスラー・ライブラリー」開設



(左2人目より)櫻井健司院長,日野原氏,吉田修奈良県立医科大学長,岡安大仁氏
   
(左より)岩崎榮氏,日野原氏,吉田氏

 聖路加国際病院(櫻井健司院長)設立100年記念事業の一環として,「オスラー記念ライブラリー」が設立され,さる9月22日に同病院において開催された「第19回日本オスラー協会総会」においてその先行披露が行なわれた。
 同病院理事長であり,また日本オスラー協会の会長でもある日野原重明氏は,「サー・ウィリアム・オスラー・ライブラリー目録」の中で,この間の経緯を次のように述べている。
 「この度,私が長年勤めてきた聖路加国際病院に新たな建物ができ,その図書館の書庫の一角に,“オスラー・ライブラリー”としてスペースが与えられ,希望者に公開されることになった。
 この書庫には,トイスラー(聖路加国際病院創設者・初代院長)所蔵のクッシング博士による『オスラー伝』の他に,私の著作になる4冊のオスラー伝,2001年7月にデューク大学出版部から刊行された英文のオスラーの講演集の注解書(仁木久恵前聖路加看護大学教授との共著:3面参照)などを納めた」
 この「オスラー・ライブラリー」に集められた書籍は大きく分けて,(1)オスラー博士の著書,(2)オスラー博士に関する研究書,(3)オスラー博士が若き医師に勧めた“ベッド・サイド・ライブラリー”と称する書籍,の3種類がある。
 この点について日野原氏は,さらに前掲書で,「“ベッド・サイド・ライブラリー”とは,講演集『平静の心』の文末にオスラーによってリストアップされている10点のものである。これは西洋の古典の文学書から哲学書までの広いジャンルの本と著者の名前が挙げられている。同講演集のここかしこに医師たるものは“医学以外のことにも関心を持ち,教養を高める”ことを強調している。このことは私自身実感していることである。私も医師の仕事の合間に,この“ベッド・サイド・ライブラリー”にある書籍を読み,どんなにか勉強になり,一服の清涼剤にもなったように思う」と続けている。

(3面に詳報掲載