医学界新聞

 

2001年(2000年度)保助看国家試験合格者発表


 厚生労働省はさる3月30日に,本年2月に実施された第87回保健婦国家試験,第84回助産婦国家試験,第90回看護婦国家試験の合格者を発表。この日の発表会場の1つである東京の厚生労働省講堂には,14時発表にもかかわらず,同省開館前の早朝6時前から受験者が訪れ,発表を待った。
 なお,本年の合格者は保健婦国家試験(以下,国家試験は略す)が93.0%(昨年比+2.3%)で,初の5000名を超える5465名となった。保健婦の合格者の増加傾向は1998年より顕著となったが,その原因として4年制看護大学の急増があげられ,今後もこの傾向は続くとみられる。ちなみに,昨年は3072名の大卒受験者に対して2736名(89.1%)が,1396名の養成所卒に対し1353名(96.9%)が合格であったが,本年は前者で受験者3611名(合格率93.4%,3374名),後者で受験者1208名(同96.2%,1162名)という結果となった。
 一方,助産婦は93.4%,合格者1545名で,前年(96.3%),前々年(95.6%)を下回った。また看護婦は,合格率84.1%,40624名と,昨年の96.4%(46817名)を大きく下回り,1998年(83.6%)に次ぐ低い合格率となった。「看護婦国家試験出題基準」が示されて2年目となった今回の試験は,これまでの出題傾向から「問題思考型」の問題が増え,「良質の問題が増えた」と評価する声も強い。一方で,この傾向が,特に既卒者や2年課程において「合格率を下げた」との指摘もある(別表および5面に掲載の合格者状況一覧を参照)。今回の看護婦国家試験の傾向および解説については,「看護教育」6月号(vol.42,no.6)に掲載される。

保助看国家試験合格者数と合格率の推移
 合格者数合格率
看護婦1997年
1998 
1999 
2000 
2001 
43317名
44364 
53821 
46817 
40624 
87.0%
83.6 
97.1 
96.4 
84.1 
保健婦1997年
1998 
1999 
2000 
2001 
3063名
3907 
4575 
4900 
5465 
92.6%
95.9 
95.4 
90.7 
93.0 
助産婦1997年
1998 
1999 
2000 
2001 
1601名
1463 
1790 
1695 
1545 
98.0%
88.7 
95.6 
96.3 
93.4 


2001年(2000年度)保助看国家試験合格状況一覧